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2019 Fiscal Year Research-status Report

ニホンジカ寄生住肉胞子虫の下痢毒性因子の検出および毒性機序の解明

Research Project

Project/Area Number 19K15974
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

山崎 朗子  岩手大学, 農学部, 助教 (30648358)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywordsジビエ / 食中毒 / Sarcocystis
Outline of Annual Research Achievements

住肉胞子虫Sarcocytsis sp.は、馬刺しの食中毒事例により新規の食中毒病原体と認定され、近年ではジビエとして利用推進されているシカ肉でも同様の食中毒を起こした。しかしその毒性因子、機序、種特異性は不明である。本研究では、野生ニホンジカに寄生するSarcocytsis sp.のヒトに対する腸管毒性因子と種間毒性の相違を解明する。国内各地域の野生ニホンジカ亜種からSarcocytsis sp.虫体を分離し、分子量依存的に分画した虫体タンパク質を用いてin vitro、in vivo実験を行い、毒性因子を同定する。標的タンパク質のアミノ酸配列を用いたSarcocytsis種間比較解析と組換えタンパク質を用いた毒性実験によりSarcocytsis種に起因する毒性の相違を検討する。原虫であるSarcocytsis sp.が細菌類のように毒性タンパク質による化学的侵襲をおこすという知見は、これまでに唱えられてきた寄生虫の傷害性は物理的という定説を覆す学術的新規性がある。
今年度の計画は、国内の各エリアからニホンジカ寄生Sarcocystisを採集することであり、感染ニホンジカ骨格筋のサンプリングを試みた。対象亜種は、エゾシカ、ホンシュウジカ、キュウシュウジカの3種類とし、捕獲後24時間以内の冷蔵郵送を依頼した。依頼先として、北海道立衛生研究所、長崎県環境保健センター、日本大学生物資源科学部、三重県名張市猟友会に協力依頼し、サンプル提供を依頼した。また、Sarcocystisの別種による毒性比較対象として、ウマ寄生性のS. fayeriも研究対象として取り入れた。S. fayeriについては、食用馬肉を提供している業者に研究用として冷蔵肉(非凍結)の郵送を依頼した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

現在試料採集の段階であるが、特に本州、北海道については10月~4月の猟期の後半からコロナウイルス感染症に関する行政措置のため、捕獲を自粛する傾向になったため、サンプリング数が減少した。現在進行形で自粛が続いているため、ニホンジカの繁殖期や猟友会の狩猟計画を考慮すると計画よりサンプリング効率が下がる可能性が考えられる。

Strategy for Future Research Activity

サンプリングの遅れ以外の実験計画については基本的に研究計画どおりに進める。

Causes of Carryover

今年度のサンプリング計画の依頼および試料採取のため、北海道、九州、本州の各地へ研究打ち合わせを兼ねて出張する予定であったが、先方からの依頼により先方負担での出張が重なったため、旅費の出費が非常に少なかった。また、猟期後半である2月以降からの試料採取で大半の試料を得る予定であった計画が活動自粛で崩れ、予想を下回る試料数になったため、使用する実験試薬量が大幅に減ったことから物品費の支出が減った。サンプリングが次年度にずれ込んだため、今年度使用予定であった物品費は実験経費として次年度に使用する予定である。

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Published: 2021-01-27  

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