2019 Fiscal Year Annual Research Report
胎生期の指間細胞脱落に関与する間葉系幹細胞の亜集団特定と細胞脱落の機序解明
Project/Area Number |
19K15981
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河邊 憲司 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60803856)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 指形成 / マウス / シングルRNAsシークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
指の発生における指間細胞のプログラム細胞死・脱落はよく知られた現象であり,その機 序として,分泌された骨形成因子(BMP)の濃度勾配によって,指が伸長する反面,指間細胞 はcaspase-3依存的なアポトーシスをおこし,マクロファージによって除去されるという説が広く支持されている。しかしながら,caspase-3や食細胞欠損マウスでも指が形成されることから,1アポトーシス非依存的な経路の存在や,2食細胞以外の細胞による除去機構の存在が示唆される。また,BMPは肢芽の先端に広く発現していることから,3濃度勾配だけでは指間のみ細胞が脱落することを説明できない。申請者らはこの問題を解決するために仮説『食細胞様細胞へコミットされた間葉系幹細胞(MSC)が指間細胞を貪食により除去し,骨芽細胞へ分化することで指が形成される』を検証し,『指の発生における指間細胞の脱落機序の解明および細胞脱落に関与するMSC亜集団の特定』を行うことを目的とした。 マウス妊娠10.5日齢,12.5日齢,14.5日齢の胎仔から肢芽を分画し,シングルRNAシークエンスを行い,特徴的な遺伝子発現を示す細胞集団を同定した。 本研究課題は初年度途中での辞退となったため計画の一部しか実行できなかったが,肢芽に存在する細胞が特徴的な集団に分離できたことから,これらの細胞を解析することにより指形成に関与する細胞が同定可能ではないかと考えられた。
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