2020 Fiscal Year Research-status Report
犬血管肉腫に対するホウ素封入WOWエマルションを用いた中性子捕捉療法の開発
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19K15995
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
柳川 将志 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (00749822)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中性子捕捉療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホウ素中性子捕捉療法はホウ素と中性子の核反応により発生する放射線(α線・リチウム原子核)を利用した腫瘍細胞特異的な治療法である。腫瘍中のホウ素濃度が治療成績に影響するため、腫瘍に高濃度のホウ素を集積させることが治療効果を高めるために非常に重要である。本研究では犬の脾臓・肝臓に発生頻度が高く難治性の血管肉腫に対してホウ素中性子捕捉療法を実施するための基礎的検討を行い、犬の血管肉腫に対する新たな治療法を開発する。 今年度はCOVID-19の影響によりラットの肝腫瘍モデルで照射実験を実施することが難しいことがわかったため、マウス皮下腫瘍モデルを作成し抗腫瘍効果が高いドラッグデリバリーシステムの開発を試みた。 血管に発現量の多いRGDモチーフをターゲットとした薬剤に関する検討を行った。RGD配列を結合したガドリニウム封入ナノミセルを用いて血管肉腫モデルマウスに対する抗腫瘍効果を検討した。しかし腫瘍に対するガドリニウムの十分な集積が認められず、中性子照射実験でも十分な抗腫瘍効果が認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は血管に多く発現しているRGDがドラッグデリバリーの有力な有力なターゲットとなると考え、RGD結合ガドリニウム封入ナノミセルも用いた実験を実施した。しかし中性子照射実験で十分な抗腫瘍効果が認められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度もマウスの皮下腫瘍モデルに対する新たなドラッグデリバリーシステムを検討し、犬血管肉腫に対する有効な中性子捕捉療法の開発を検討する。
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Causes of Carryover |
京都大学複合原子力科学研究所で実験を行うが、COVID-19の影響で出張を伴う実験に制限があった。またラットを使用した照射実験を計画していたが同様の理由で実験が困難になったためマウスでの実験を実施した。
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