2019 Fiscal Year Research-status Report
肝蛭の宿主体内における酸素濃度依存的なエネルギー代謝の転換
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19K15996
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
関 まどか 岩手大学, 農学部, 助教 (20700488)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝蛭 / 人獣共通感染症 / ミトコンドリア呼吸鎖 / 薬剤標的 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝蛭実験室株の成虫からミトコンドリア分画を単離し、呼吸鎖を構成するComplex IとIIに対する典型的な阻害剤であるRotenoneとAtpenin A5について成虫の呼吸鎖酵素に対する阻害率を算出した。さらに、In vitro培養系で各阻害剤のNEJに対する殺滅効果を評価し、NEJのミトコンドリア呼吸鎖の特性を解析した。 Rotenone とAtpenin A5は、成虫のComplex IとIIの活性を特異的に阻害した。好気培養条件下においてComplex Iの阻害剤はNEJを殺滅したが、Complex IIの阻害剤は効果が無かった。したがって、酸素が豊富な環境では、Complex IIに依存しない酸素呼吸がNEJで作動していることが判明した。一方、嫌気培養条件下ではComplex IとComplex IIの阻害剤がともにNEJを殺滅した。したがって、NEJは低酸素環境ではComplex IIにより作動するフマル酸呼吸に強く依存することが判明した。 肝蛭のNEJは生息環境の酸素濃度に応じて酸素呼吸とフマル酸呼吸を切り替えることが判明し、低酸素環境の宿主体内では、薬剤標的としてフマル酸呼吸が極めて有望であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝蛭幼虫の酸素濃度依存的なミトコンドリア呼吸鎖の機能の変動を明らかにすることができた。当初の目的とした課題の一つを達成したため、本研究はおおむね順調に進行している。 一方で、目標としていた論文投稿には至らなかったため、最終年度である2020年度には論文発表を実現したい。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に達成できなかった以下の課題について取り組む。 また、研究成果について国際誌に論文投稿を目指す。 1.幼虫のミトコンドリア呼吸鎖における電子受容体の種類と比率 2.ミトコンドリア呼吸鎖複合体IおよびIIのサブユニット解析
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