2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on the change of amino acid metabolism during perioperative
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19K16000
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
東 和生 鳥取大学, 農学部, 准教授 (50721841)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アミノ酸 / 臨床獣医学 / 外科手術 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
全身麻酔および手術は患者(生体)の様々な代謝に影響を及ぼす医療行為である。全身麻酔が生体の恒常性維持機構に及ぼす影響、あるいは外科手術による組織侵襲などがよく知られている。手術前後の周術期における適切な管理は、患者(生体)の回復期間を短縮し、その期間に起こりうる様々な合併症を回避するために重要である。人医療においては、周術期のアミノ酸代謝を調節することで、術後の疼痛の緩和・回復期間の短縮が可能であることが示唆されている。本研究では、まず犬の周術期におけるアミノ酸代謝変化解明を目標とした。 まず鳥取大学農学部附属動物医療センターでの検体採取実施に向けた、臨床研究申請を実施した。また、検体の分析に必要な機器特に検体保管には必須の冷凍庫、分析に必要な冷却遠心分離器などの機器整備も実施した。現在、避妊手術および眼球摘出術の症例の検体を採取開始しているところである。また、その間は全身麻酔下で代謝的な影響を受けうるアミノ酸・その代謝物の解析を、当研究室に現在保存されている検体を用いて実施した。その結果、腎不全発症と尿毒症物質と呼ばれる代謝物濃度の上昇との関連性が、本邦においても確認された。尿毒症物質は生体内ではアミノ酸を変換し生合成される。したがって、犬の腎疾患とアミノ酸代謝は密接に関連していることが示唆されるが、現在詳細を検証中である。同時期に検討した、猫の腎障害とアミノ酸代謝変化については、ヒトでの変化に類似する結果が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床例からの検体採取のための、臨床研究実施への申請にやや時間を要した。したがって、実際の検体採取開始の時期も当初よりやや遅れた。しかし、その後は順調に検体を採取できてきており、今年度以降で予定通りの進捗が見込めると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、臨床例からの検体の採集・解析を継続し行う。検体収集に時間を要する場合は、他施設での検体採取等を研究協力者に依頼し、実施する。併せて、犬・猫の腎障害とアミノ酸代謝の関係性についてはアミノ酸のみならずその代謝物質等も含め検討を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
検体採取開始が当初の予定よりやや遅れ、使用する消耗品が当初の予定よりほど必要とならなかった。次年度使用額は、予定通り消耗品購入の費用として使用する予定である。
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