2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of innate immune memory mechanism in cattle and examination of innovative respiratory disease prevention method
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19K16002
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
石川 真悟 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 助教 (00755887)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自然免疫 / ワクチン / パターン認識受容体 / IFN-β |
Outline of Annual Research Achievements |
ex vivoにおける牛肺胞マクロファージ(AM)へのPAMPsへの応答機構の解析を行った。 健常牛に気管支肺胞洗浄(BAL)を行い回収したAMを病原体関連分子パターン(PAMPs; LPS, Poly I:C)、AM刺激能が確認されているIFN-γおよび改変生ワクチン(MLV)で刺激培養し、IFN-β(抗ウイルス能)、TNFα(炎症惹起能)およびiNOS(消化能)のmRNA発現量について解析した。MLVについては、ウイルスの失活による影響を調べるため、UV照射により失活させたもの(MLV-UV)についても刺激に用いた。結果、MLVおよびMLV-UV刺激によりIFN-β、IFN-γ、MLVおよびMLV-UV刺激によりTNF-α、LPS、IFN-γ、MLVおよびMLV-UV刺激によりiNOS発現量が有意に上昇した。MLVで刺激については濃度依存的にその発現量が上昇しており、また、MLV-UVでも同様の変化が認められたことから、MLVによるこれらの発現上昇はワクチンに含まれているウイルスの構造自体が刺激因子となり惹起されたことが考えられた。以上から、AMを刺激することにより、非特異的な抗ウイルス能、炎症惹起能および消化能を向上させることができると考えられた。 一方で、その変化量については個体差が大きかったため、個体差の原因について検討した。PAMPsを認識するパターン認識受容体(PRRs)発現による発現変動を疑い、TLR2およびTLR4の発現量を解析したが、個体間に大きな相違は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、ex vivoでの機能解析を進め肺胞マクロファージのPAMPsへの応答機能の変化について解明することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
肺胞マクロファージのPAMPsへの応答機構を解明したが、それには個体差が大きかった。単純なレセプターとリガンドの量による差ではないと考えられることから、計画で想定していたエピゲノムレベルでの変化について解析を進める。 また、鼻腔粘膜生ワクチンをトリガーとして用いる方法について、実際の投与試験の準備を進めており、本年度に実施できる予定である。
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Causes of Carryover |
参加予定だった学会が新型コロナウイルスの影響で中止となったため、次年度使用額が生じた。翌年度以降の学会参加費又は消耗品購入費として使用する予定である。
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