2019 Fiscal Year Research-status Report
安静時機能的MRIを用いたてんかん猫の脳機能欠落域の検出および標準脳の作成
Project/Area Number |
19K16005
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
濱本 裕仁 日本獣医生命科学大学, その他部局等, 助手 (60825206)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | てんかん / 安静時機能的MRI / 猫の標準脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
デフォルトモードネットワーク MRIの撮像に際し,プロポフォールの導入からイソフルラン吸入麻酔による維持を用いた.MRIシーケンスは,TR/TE=300/34.7,flip angle=90,FOV=15×15cm,matrix64×64,slice thikness=4.5の条件で解析可能なクオリティを持った画像を取得することができた.そのため,安静時機能的MRIのシーケンスを構築することに成功したと考えている.その後,安静時機能的MRIのコントロールデータとして,健常猫10頭の撮像が終了した.これらのデータはMATLABを用いたSPM12による解析を開始している.また,家族性自然発症性てんかん猫の安静時機能的MRIの撮像にも着手しており,7頭の個体でその撮影が終了している. 猫の標準脳 他の原因により亡くなった猫の脳病理を2検体行った.そのうち1頭で,脳に明らかな異常を示さないことが確認でき,定位的に切り出した組織からHE染色の切片の作成が終了している.その他の1頭ではMRIでは確認できなかったものの,微小な頭蓋内髄膜腫が見つかったため研究対象から除外した.同時に健常な脳の定義として猫の加齢性の変化を示すために,標準脳の作成のために撮影した3D T1強調画像を用いたVoxel-based morphometry検討を行った.その結果,尾状核などの領域で加齢による減少が示されたため,標準脳作成に使用する個体選択の定義として用いることを検討している.また,この結果を踏まえて,論文投稿に向けた執筆を開始している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
猫の標準脳作成において,含有基準を決定するためにVoxel-based morphometryを用いた減少領域の検討を行った.猫に対してVoxel based morphometryを用いた研究は少なく,明確なプロトコルは定義されていない.過去の報告を参考としてこれまでのデータを利用した結果を求めたため,解析に若干の時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で家族性自然発症性てんかん猫の安静時機能的MRIの撮像を全て終了する.これまでの研究で麻酔や撮像条件のプロトコルは決定したため,研究計画に大きな問題はないと考えられる.全てのデータが揃った後に,てんかん猫とコントロール猫とのコネクティビティの異なりを検出する.この解析は猫での報告がないため,現在の収集したデータを用いて先行して解析条件の検討を行っていく.また,これらのデータを用いた結果を学会および論文にて公表していく.
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Causes of Carryover |
本年度に購入を予定していた定位的病理ブロック作成スライサーの選定が特注のため遅れが生じた.今後の病理組織の検討を行うため,次年度での購入が必要となる. また,本年度の学会参加を予定したが,その他の業務により見合わせた.次年度にはEuropean College of Veterinary NeurologyやAmerican College of Veterinary Internal Medicineに参加予定である.
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