2021 Fiscal Year Research-status Report
安静時機能的MRIを用いたてんかん猫の脳機能欠落域の検出および標準脳の作成
Project/Area Number |
19K16005
|
Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
濱本 裕仁 日本獣医生命科学大学, その他部局等, 助教 (60825206)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | てんかん / 安静時機能的MRI / 猫の標準脳 / 加齢性脳萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
てんかん猫および健常猫の安静時機能的MRI画像の撮像が終了し ,現在は解析の段階にある.解析の前処理である補正に関しては十分に行うことが可能であることが示された.しかしながら,SPM12を使用した解析においててんかん猫と健常猫の安静時の脳機能に関して有意な変化が認められていない.そのため,解析条件を変更し再度解析を行っている段階である.これらの解析条件の変更に加えて,使用ソフトウェアにFMRIB Software Libraryを追加し,次年度はすでに取得したデータを基に新たな解析を行う予定である. 年齢による変化を考慮に入れるため,安静時機能的MRI研究の際に取得してきた3D-T1強調画像を使用して脳の器質的な変化の観察も行っている.64頭の対象個体から標準脳を作成し,加齢と脳容積の相関性を調査した.これらの脳画像に対して行ったVoxel-based morphometry解析において,猫の脳の加齢性の変化は灰白質を中心とした萎縮として確認されることが明らかとなった.さらに詳細な解剖学的位置としては両側頭頂葉皮質および右帯状回での有意な減少が示された.人や犬などで報告される海馬などの辺縁系構造や白質の萎縮は認められなかった.これらの領域はこれまでに報告される病理学的変化が認められた領域であるため,本研究結果は認知機能症などの加齢により発生しうる疾患に対して有益な情報となりうる.現在,より正確な解剖学的位置を模索するために,健康上の理由のために安楽死を行った1頭の猫の病理学的位置情報を持つMRIに対しての正規化を行っている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は担当研究者のコロナウイルス感染のための隔離や当施設のコロナウイルス拡大防止のための休診期間などがあり,思うような実験計画を行うことができなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究はデータ解析および論文公表が主となる段階にまで進展している.今後に関しては,解析を行ったデータを含めて,再度解析条件や解析ソフトウェアを検討しデータの信頼性の高いデータとしていく予定である.Voxel-based Morphometryを用いた脳の加齢性変化については,学術雑誌への投稿を予定している.
|
Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響のため,海外学会を含む学会参加ができないため使用額に差異が生じた.すでに,購入した物品および機材により研究を行った.
|