2020 Fiscal Year Annual Research Report
生殖細胞特異的KRAB-ZFPによるトランスポゾン抑制機構の解析
Project/Area Number |
19K16035
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
八代 龍 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 ラジオアイソトープ管理室, リサーチフェロー (70838119)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | DMD / アポトーシス / ネクロトーシス / C2C12 |
Outline of Annual Research Achievements |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は生まれつきの疾患であり、筋肉細胞にジストロフィン(Dys)が存在しないことにより生じる。Dysは筋肉細胞でバネの役割を果たし衝撃から守る。従ってDysが存在しないと細胞が壊れやすいものとなる。治療法は現在、エキソンスキッピング療法が試されている。変異が生じているエキソンを読み飛ばすことで、より症状の軽いベッカー型に変える治療法である。しかし治療がうまくいかないケースも多く、その他にも有力な治療法を開拓する必要がある。そこで着目したのが細胞死である。 本研究では、細胞死とDMDの関係を関連因子の発現確認により検証することとした。 本研究室で作製したDMD模倣細胞株(Dys欠損C2C12)を用いて研究した。ミトコンドリア関連タンパク質のMitofilinをKDするとアポトーシスが亢進する研究より、その発現確認を行った。TNF-zVAD処理を行った細胞で検証を行うと、DMD模倣細胞株では野生型と比べ発現が低かった。次に、抗アポトーシスタンパク質であるBcl2とp-Bcl2の発現を確認した。その結果、Bcl2の発現レベルに違いは見られなかったが、p-Bcl2の発現がDMD模倣細胞株において亢進していた。また、Bcl2の脱リン酸化を行うタンパク質として知られるCalcineurinの活性を確認した。その結果、DMD模倣細胞株において野生型と比べて活性が低くなっていた。また、p-JNKの発現も高まっていた。以上より、DMDでアポトーシスの活性亢進が示唆された。また、ネクロトーシスの指標であるMLKLについても確認した。その活性型であるp-MLKLの発現が、DMD模倣細胞株でより亢進していた。よって本研究より、DMDで炎症反応が活発化した場合、アポトーシスとネクロトーシスという2種の細胞死経路を用いて活発に細胞死が起こっている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Genome editing of the nSMase/Smpd3 gene in mdx mice modulates the severity of muscular dystrophy and emotional stress-response2020
Author(s)
Yasunari Matsuzaka, Jun Tanihata, Yoshiko Ooshima, Daisuke Yamada, Masayuki Sekiguchi, Shouta Miyatake, Yoshitsugu Aoki, Mika Terumitsu, Ryu Yashiro, Hirofumi Komaki, Akihiko Ishiyama, Yasushi Oya, Yukiko U. Inoue, Takayoshi Inoue, Shin’ichi Takeda and Kazuo Hashido
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Journal Title
BMC Medicine
Volume: 18
Pages: 343
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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