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2020 Fiscal Year Research-status Report

ゲノム構造Rループ形成のエピトランスクリプトミクス制御

Research Project

Project/Area Number 19K16037
Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

岡田 俊平  東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 助教 (40838372)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
KeywordsRループ / DNA:RNAハイブリッド鎖 / 核酸修飾 / 転写制御
Outline of Annual Research Achievements

本研究ではゲノム上に存在するDNA:RNAハイブリッド鎖と一本鎖DNAから構成されるRループ形成領域を高精度且つ高感度に検出する新規解析技術を開発し、哺乳動物ゲノムにおけるRループ構造形成部位の同定並びにその役割の解明に資する解析技術基盤の構築を目的とする。さらに核酸塩基修飾の観点からRループ構造制御に関与する因子の同定を行い、その分子機構の解明並びに細胞内機能、生物学的意義にについて明らかにすることを目指す。申請者らはこれまでに、主にRNAに作用すると考えられていたRNA修飾酵素がDNA:RNAハイブリッド鎖にも選択的に結合して細胞内Rループ形成の制御に関与することを見出し、この制御機構がヒトゲノムの安定化へ寄与することを示唆する結果を得ている。詳細な分子機構を解明するため、RNA修飾酵素がDNA:RNAハイブリッド鎖中に導入している核酸塩基修飾部位を同定するため、対象の核酸修飾に特異的に反応し、蛍光標識及び濃縮精製に有用な官能基付加が可能である化学試薬の同定に成功した。
本年度は、化学標識試薬の反応条件の最適化並びに既知試薬と比較した際の優位性の証明を実施した。さらにビオチン官能基が付加された化学試薬を用いて核酸修飾が導入された合成核酸を濃縮精製することに成功した。また、核酸修飾を担う酵素を細胞内で発現抑制した際に、Rループの蓄積が特異的に引き起こされる炎症関連転写因子の同定に成功した。この転写因子依存的に核酸修飾酵素欠損時に発現量が増加する複数の遺伝子を見出した。
最終年度は、確立した核酸修飾検出技術を用いて、複数種の培養細胞及び組織サンプルにおいてRループ領域並びにDNA:RNAハイブリッド鎖内の核酸修飾部位の同定を行う。さらにRループ構造解消機構、DNA損傷、炎症惹起機構との関連性の解明・検証を進める。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

DNA:RNAハイブリッド鎖中に導入している核酸塩基修飾部位を同定するため、対象の核酸修飾に特異的に反応し、蛍光標識及び濃縮精製に有用な官能基付加が可能である化学試薬の同定に成功した。化学標識試薬の反応条件の最適化並びに既知試薬と比較した際の反応効率の優位性の証明を実施した。さらにビオチン官能基が付加された化学試薬を用いて核酸修飾が導入された合成核酸を濃縮精製することに成功した。現在、培養細胞を用いて核酸修飾部位並びにRループ領域の同定を進めている。
また、複数種類の培養細胞において核酸修飾を担う酵素の発現抑制を行い、RNA-seq解析により網羅的にRNA転写産物量変化の解析を行った結果、炎症関連転写因子の遺伝子領域において修飾酵素欠損時特異的にRループが蓄積し、遺伝子発現が促進されていることを見出した。さらに修飾酵素と同時にこの転写因子発現抑制した際の遺伝子発現をRNA-seqで解析した結果、転写因子依存的に発現が促進される複数の遺伝子を検出した。

Strategy for Future Research Activity

これまで開発した核酸修飾塩基の濃縮精製技術を、複数種の培養細胞及び組織のゲノムDNAへ応用し、イルミナ或いはナノポアシークエンサーを用いてDNA:RNAハイブリッド鎖中の核酸修飾部位の同定、及びゲノム中のRループ領域の同定を行う。検出されたRループ領域の塩基配列及びゲノムの位置上の特徴を調べ、核酸修飾がゲノム安定化に寄与する特徴的要素及び分子機構を探求する。
また、核酸修飾酵素欠損時に炎症関連転写因子の領域で観察されたRループの蓄積と核酸修飾塩基の関係を解析し、詳細な分子機構を明らかにする。さらに、炎症関連転写因子が制御する遺伝子とRループを起因とする疾患、炎症惹起機構との関係を明らかにする。

Causes of Carryover

本研究で予定しているイルミナ及びナノポアシーケンシングのライブラリ調製やシーケンシングに必要な試薬は非常に高価な上に使用期限が限られてい るためサンプル精製の条件確立の見通しが立つまで購入を控えている。さらにサンプル精製の条件が決定していないため費用が高額なシーケンシングの実施にも 至らなかった。以上の理由により、次年度使用額が生じた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Adenosine-to-inosine RNA editing in neurological development and disease2021

    • Author(s)
      Yuxi Yang、Shunpei Okada、Masayuki Sakurai
    • Journal Title

      RNA Biology

      Volume: 6 Pages: 1~15

    • DOI

      10.1080/15476286.2020.1867797

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Book] A-to-I RNA 塩基編集による疾患と対策技術2020

    • Author(s)
      櫻井雅之, 岡田俊平
    • Total Pages
      4
    • Publisher
      ニューサイエンス社 MSD メディカルサイエンスダイジェスト

URL: 

Published: 2024-12-25  

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