2020 Fiscal Year Annual Research Report
真核細胞型RecAファミリーリコンビナーゼによるヘテロ二重鎖形成の分子機構
Project/Area Number |
19K16039
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 健太郎 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任助教 (60837128)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 相同組換え / DNA鎖交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
相同組換えは遺伝情報の維持と遺伝的多様性創出という一見全く逆の生命現象に必須ですべての生物種に保存された重要な生理機能である。RecAファミリーリコンビナーゼは相同組換えの中心的なステップであるDNA鎖交換反応を触媒する。DNA鎖交換反応ではDNA二重鎖切断末端がヌクレアーゼによって削り込みを受けて生成された単鎖DNA上にリコンビナーゼが螺旋状に結合してフィラメントを形成する。そしてこの核酸タンパク質複合体が二重鎖DNAを取り込んで相同配列を検索し、相同配列を見つけると鎖を交換してヘテロ二重鎖DNAを形成する。しかし、相同検索とヘテロ二重鎖形成の分子機構については未だにに不明な点が多い。現在までに分裂酵母Rad51リコンビナーゼのDNA結合部位の多数の変異体を解析することで、DNA鎖交換反応の際にRad51内でDNAがどのように移動して相同配列検索とヘテロ二重鎖形成が起こるのかについての分子機構を解析し、複数のDNA結合部位が協調してこの反応を促進していることを明らかにした。 当該年度はRad51リコンビナーゼのDNA鎖交換活性とATP加水分解活性との関係性について解析を行った。構造モデルからRad51のATP結合状態とRad51のDNA鎖交換活性を協調させていると予想される部位のRad51変異体を作製した。生化学的に解析の結果、この変異体ではDNAにもATPにも結合できるが、この変異体による核酸タンパク質複合体は野生型に比べて異常な形態をとること。DNA鎖交換反応の際に野生型と同じように二重鎖DNAを取り込むことができるが、変異体では完全な非相同二重鎖DNAとも強く結合してしまい相同鎖検索ができなくなってしまっており、この部位が核酸タンパク質複合体ができた後のその活性を制御するのに重要であることを示唆する結果を得た。
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Research Products
(3 results)