2020 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular basis for lipid presenting molecule CD1d
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19K16051
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
喜多 俊介 北海道大学, 薬学研究院, 特任助教 (10702003)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CD1 / X線結晶構造解析 / 糖脂質 / 脂質 / 抗原提示 / MHCクラスI / NKT細胞 / αGalCer |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,CD1dによる抗原提示とNatural killer T (NKT)細胞の活性化というイベントを中心として,そこから時間的,空間的に隣接して起こるCD1dへの脂質積載や免疫制御分子との関係性も含めて,CD1dの分子基盤を構築することを目的としている.具体的にはテーマ①アミド型αGalCerを介したNKT細胞活性化機構の解明,テーマ②CD1dと相互作用する分子群との相互作用解析,③CD1dが認識する昆虫由来脂質成分の解析に取り組んでいる.
今年度はテーマ①について,NKT細胞のT細胞受容体(TCR)とCD1d-αGalCer amide複合体との表面プラズモン共鳴を用いた相互作用解析を行った.また昨年に引き続き,様々な種類のCD1d-αGalCer amide複合体について,示差走査熱量測定(DSC)による熱安定性試験を行った.テーマ②については,Saposin分子とCD1との相互作用についてプルダウンアッセイや表面プラズモン共鳴を用いて調べた.CD1とSaposin複合体の結晶化条件探索も並行して行った。テーマ③について,これまでの脂質解析の結果をまとめ,論文投稿の準備を進めた.
本研究を通して,アミド型抗原によるNKT細胞の活性化機構の一端が解明され,NKT細胞の活性を制御する脂質の設計に重要な指針を示すことに成功した.また,CD1dと免疫細胞の受容体や脂質輸送分子との相互作用を測定する方法を確立し,今後さらなる解析を行うための基盤を構築するに至った.
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