2020 Fiscal Year Research-status Report
麻疹ウイルス膜融合開始複合体の構造解析による宿主細胞感染機構の解明
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19K16057
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 干城 九州大学, 医学研究院, 助教 (80833334)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 麻疹ウイルス / 膜融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
麻疹ウイルス膜融合開始複合体を調製するために、その構成因子であるFタンパク質とHタンパク質の調製を行なった。Fタンパク質は昆虫細胞発現系を用いることにより、組換えタンパク質の大量調製に成功した。一方、哺乳動物細胞や昆虫細胞発現系を用いて全長のHタンパク質の発現・精製条件を検討したが、安定なタンパク質として発現させることは難しいことが分かった。Hタンパク質は受容体との結合を担うヘッドドメインとFタンパク質との結合を担うストークドメインにより構成されている。そこで、Fタンパク質との相互作用に必須である、Hタンパク質のストークドメインにターゲットを絞ることにした。さまざまな長さのストークドメインを昆虫細胞発現系を用いて発現させた結果、安定なタンパク質として発現するストークドメインコンストラクトを見つけることができた。大量培養したのち、精製したストークドメインをゲルろ過カラムで解析したところ、単ピークで溶出されることを確認した。精製したストークドメインを用いて結晶化スクリーニングを行なったところ。いくつかの条件で結晶を得ることに成功した。現在は、X線回折実験に適した高品質の結晶を作成するため、結晶化条件の最適化を行なっている。高分解能の回折データが得られれば、構造解析を行う。今後はストークドメインとFタンパク質の結合実験を行い、結合条件を検討し、最適な条件を用いて複合体の結晶化と立体構造解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全長のHタンパク質の精製は成功しなかったが、ストークドメインの精製には成功した。ストークドメインを用いてFタンパク質との複合体形成実験、構造解析を行うことが可能なため。
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Strategy for Future Research Activity |
精製したFタンパク質とストークドメインを用いて、複合体形成実験と結晶化を行う。
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Causes of Carryover |
結晶構造解析用ワークステーション購入をしなかったため。次年度に解析を予定しているため、ワークステーションを購入する予定。
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