2021 Fiscal Year Research-status Report
麻疹ウイルス膜融合開始複合体の構造解析による宿主細胞感染機構の解明
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19K16057
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 干城 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (80833334)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 麻疹ウイルス / 膜融合 / X線結晶構造解析 / 構造生物学 / 感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
麻疹ウイルス膜融合開始複合体を調製するために、その構成因子であるFタンパク質とHタンパク質の調製を行なった。Fタンパク質は昆虫細胞発現系を用いることにより、組換えタンパク質の大量調製に成功した。一方、哺乳動物細胞や昆虫細胞発現系を用いて全長のHタンパク質の発現・精製条件を検討したが、安定なタンパク質として発現させることは難しいことが分かった。Hタンパク質は受容体との結合を担うヘッドドメインとFタンパク質との結合を担うストークドメインにより構成されている。そこで、Fタンパク質との相互作用に必須である、Hタンパク質のストークドメインにターゲットを絞ることにした。さまざまな長さのストークドメインを昆虫細胞発現系を用いて発現させた結果、安定なタンパク質として発現するストークドメインコンストラクトを見つけることができた。大量培養したのち、精製したストークドメインをゲルろ過カラムで解析したところ、単ピークで溶出されることを確認した。精製したストークドメインを用いて結晶化スクリーニングを行なったところ。いくつかの条件で結晶が得られ、X線回折データの収集に成功した。得られた回折データを解析し、分子モデルの構築を行った。今後は、得られた分子モデルから膜融合メカニズムについての仮説を立て、変異体を作成して膜融合実験を行い仮説を検証する。同時に、Fタンパク質とHタンパク質ストークドメインの結合実験を行い、結合が確認できれば結晶化スクリーニングを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ストークドメインの結晶構造解析により、膜融合メカニズムについての仮説を立てることができ、検証するための変異体作成に目処がついたため。
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Strategy for Future Research Activity |
膜融合メカニズムについての仮説を検証するための変異体を作成し、膜融合実験を行う。同時に、Fタンパク質とHタンパク質ストークドメインの結合実験を行い、結合が確認できれば結晶化スクリーニングと結晶構造解析を行う。
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Causes of Carryover |
構造解析用PCを購入予定であったが、他の研究室から解析PCを供与いただいたので、今年度は購入を見送った。構造解析の結果得られたモデルから膜融合メカニズムを検証するための変異体の作成、膜融合実験等を行うため、オリゴDNA、試薬、培地等を購入する。また、論文作成後、校正を行う。
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