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2020 Fiscal Year Research-status Report

CRISPRスクリーニングによる細胞膜脂質とイオンチャネルの機能連関の解明

Research Project

Project/Area Number 19K16075
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

土谷 正樹  京都大学, 工学研究科, 助教 (00837338)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
KeywordsCRISPRスクリーニング
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、アジド基を導入したコリンを出発物質として生合成されるアジド含有ホスファチジルコリン(PC)の代謝・動態を制御する遺伝子を探索することを目指した。ゲノムワイドなCRISPR-KOライブラリーを発現するK562細胞を作製した。小胞体・ゴルジ体に選択的に局在化してアジド脂質を蛍光ラベル化するクリック反応試薬を用いた後に、フローサイトメトリーにより、蛍光ラベル化PCの量が低下した下位1%の細胞集団をソーティングした。この1%細胞について再度アジドPCの蛍光ラベル化およびフローサイトメトリーにより解析すると、蛍光強度が著しく低下していた。これにより、フローサイトメトリーによる細胞の選択圧が働いていることが分かった。続いて、ゲノミックPCRおよび次世代シーケンサーによりsgRNA配列を定量的に解析することによって、濃縮された遺伝子を評価した。その結果、PC生合成に必須であることが既知のPCYT1Aがランキング上位に位置していることが分かり、今回のスクリーニングにおいてPC合成に必要な遺伝子が選抜されている可能性が強く示唆された。そこで、ランキング上位の候補遺伝子について、個別にCRISPR-KO細胞を作製し、バリデーションを実施した。ある遺伝子を標的とするCRISPR-KO細胞において、PCの蛍光ラベル化量が低下する表現型を検出した。今後の予定として、このCRISPRスクリーニングの解析結果をさらに検証するとともに、候補遺伝子がどのようにPCの代謝動態に関与するのか解析を進める。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度では、アジド基を導入したコリンを出発物質として生合成されるアジド含有PCの代謝・動態をモデルとして、各種オルガネラ局在性ラベル化剤(小胞体/ゴルジ体・ミトコンドリア・リソソーム・細胞膜)の反応性・除去特性の検討およびFCM解析系の構築を進めた。オルガネラごとのアジドPCに依存して細胞分離を実行できる手法を確立した。次に、PC生合成に必要な遺伝子PCYT1Aに対してCRISPR-Cas9法により遺伝子変異を施したK562細胞を作製・解析したところ、野生型細胞に対して著しい蛍光ラベル化PCの減少および細胞増殖の遅延を認めた。このPCYT1A変異細胞を活用して、CRISPR-Cas9 knockoutスクリーニングにおけるプロトコールの最適化を検討した。最終的に、蛍光ラベル化PCが減少した遺伝子欠損細胞集団を効率的にスクリーニングできる選抜条件を得るに至った。

Strategy for Future Research Activity

今後の予定として、スクリーニングによって濃縮された細胞集団に組み込まれた遺伝子変異(sgRNA配列)を次世代シーケンスにより解析することで、PC代謝動態に関わる既知・新規の遺伝子群についてバリデーションを進める。とくに、オルガネラレベルで異なる遺伝子変異に関する解析を検討することで、オルガネラ間のPCの分布比率を調節しうる因子の絞り込みを狙いたい。さらに、アジドコリンの他に、スフィンゴ脂質・グリセロ脂質のアジド基導入についても検討を考慮し、スクリーニングの拡張性についても吟味したい。本研究で解析対象とする脂質関連遺伝子の変異細胞について、特定のイオンチャネルの機能解析も進めていく予定である。

Causes of Carryover

予定していたCRISPRスクリーニング系の構築が難航すると思われたため、消耗品の試薬類の購入に多額の予算を計上した。しかし、細胞種や操作条件の検討によって想定よりもスムーズにフローサイトメトリー解析系の確立に成功したため、試薬類にかかる使用額が減少し、次年度使用額が生じた。この繰り越し予算は次年度において次世代シーケンスの解析に充てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 脂質代謝・動態の遺伝子基盤の解明に向けたオルガネラ選択的脂質ラベリングとCRISPRスクリーニングの融合手法2020

    • Author(s)
      土谷正樹
    • Organizer
      第62回日本脂質生化学会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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