2021 Fiscal Year Research-status Report
ユビキチン結合型カルパインによる細胞接着制御メカニズムの解明
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19K16081
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
野口 あや 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 研究員 (10836688)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カルパイン / カドヘリン / 細胞接着 / 大脳形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)CAPN15によるユビキチン修飾依存的な基質切断機構 昨年度に引き続きCAPN15と基質を仲介するユビキチン化タンパク質について検討した結果、CAPN15の共沈降物に含まれるE-cadherinとα-catenin、β-cateninが複数個所でユビキチン化されていることが明らかになった。また、細胞間接着の破壊によって細胞膜に局在するCAPN15を捉えた。昨年度までの成果と合わせて、CAPN15がユビキチン化されたE-cadherin/catenin complexに結合してE-cadherinを切断し、リソソームでの分解へと導くことでE-cadherinによる細胞間接着を抑制(または、細胞膜上への過剰なE-cadherin蓄積を抑制)するというモデルを得るに至った。 (2)マウス大脳発生におけるCAPN15の機能 胎生期マウス大脳におけるCAON15発現解析を行い、胎生期大脳においてCAPN15が安定して発現していること、大脳に広範囲にわたって発現していることを明らかにした。このことから、大脳発生におけるCAPN15の機能が一過的ではないことが示唆された。大脳に発現するカドヘリンについて野生型マウスとCapn15ノックアウトマウスで発現を比較し、Capn15ノックアウトマウスで増加する分子を見い出した。今後、この分子についてCAPN15による切断を検証する。また、in uteroエレクトロポレーション方を用いて神経細胞の移動を可視化し、野生型マウスとCapn15ノックアウトマウスで比較したが、現在のところ両者に差は認められていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的をおおよそ達成し、個体解析の足掛かりを得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)CAPN15によるユビキチン修飾依存的な基質切断機構 論文として発表する。 (2)マウス大脳発生におけるCAPN15の機能 培養細胞系で確立した方法を用いて発生期大脳におけるCAPN15基質を同定し、ノックアウトマウスの表現型に至る分子プロセスを明らかにする。
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Causes of Carryover |
「【1】CAPN15によるユビキチン修飾依存的な基質切断機構」について、論文投稿を次年度へ持ち越したため、英文校正や論文投稿にかかる費用として次年度使用が生じた。
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