2020 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質長格子結晶のパルス中性子回折データの強度分離法の開発
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19K16083
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
矢野 直峰 茨城大学, フロンティア応用原子科学研究センター, 産学官連携助教 (60724721)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 単結晶中性子構造解析 / 長格子 / 強度分離法 / データ処理法の開発 / 飛行時間法 / タンパク質 / iBIX |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質単結晶用中性子回折装置iBIXは格子長の1辺が135Åを超えた場合、測定波長と散乱角2θによっては一部の回折斑点が重なり、強度を決定できないという問題が生じる。iBIXの測定対象を拡大するために回折斑点の強度分離法の開発を行った。格子定数がa=b=c=133Åで、分解能が2.4Åのカタラーゼの回折データを用いて、昨年度と今年度にかけてプロファイルフィッティング法を応用した手順を検討した。中性子の波長が短くなる程、TOF方向で回折斑点の間隔が密になり、重なってくることから、積分領域のXY平面毎にバックグラウンドを決定し、横軸TOFの1次元強度分布のバックグラウンド関数を決定することにした。個々の回折斑点の積分領域とバックグラウンド領域の検出器上でのピクセル座標を基に重なりの判定を行うことにした。対象とする回折斑点の積分領域が隣接する回折斑点のバックグラウンド領域に入っていた場合、重なっていると判断し、重なった領域はフォワーグラウンド関数のフィッティングには使用しないことにした。UB行列から予測したピークトップ位置まで重なっている場合、フォワーグラウンド関数を最小二乗法でフィッティングすることが出来ないので、強度決定は不可能と判定することにした。予測したピークトップ位置が横軸TOFの1次元強度分布のピークトップ位置とズレることも考慮して、判定することにした。 iBIXのユーザーが利用できるようにiBIX用のデータ処理ソフトSTARGazerへの実装を行った。実装はこれまでデータ処理ソフトの開発に関わってきたソフト開発会社に依頼し、グラフィカルインターフェース上で使用できるようにした。納品されたソフトの動作確認を行い、不具合なく動作することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ処理ソフトへの実装を行うことは出来たが、ユーザーが強度分離法を利用するために必要なマニュアルを作成し、ソフトと共にユーザーがwebからダウンロード出来るようにすることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ユーザーが強度分離法を利用するために必要なマニュアルを作成し、ソフトと共にユーザーがwebからダウンロード出来るようにする。学会で強度分離法が利用できるようになったことを発表する。 (2)強度分離法の有用性を更に検証するため、1軸のみが135Åを超えるタンパク質の回折データに対して、強度分離法を適用した場合としない場合で統計値の反射数、I/σ(I)、Rmergeなどを比較する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、(1)コロナウイルスの影響で、参加を予定していた国際学会に参加出来なかったから、(2)マニュアルの作成に用いる事務用パソコンを購入しなかったから、である。 使用計画は2021年度における事務用パソコンと外付けHDDの購入に用いる予定である。
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Research Products
(2 results)