2022 Fiscal Year Annual Research Report
Activation mechanism of photoreceptor protein OPN4 and its physiological meaning
Project/Area Number |
19K16085
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
木股 直規 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (40822929)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メラノプシン / 非視覚光受容 / GPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、哺乳類メラノプシンの分子特性が光感受性網膜神経節細胞(ipRGC)の生理応答を制御するメカニズムの解明を目的とする。本年度は、活性化速度とは異なる分子特性であるGタンパク質選択性に着目した。メラノプシンはGタンパク質共役型受容体(GPCR)の1種であり、GqおよびGsを活性化することができる。また、多くのGPCRについて細胞質側第2・第3ループがGタンパク質の選択性に重要であることが報告されている。そこで、GqまたはGsを活性化するツールであるGqDREADDおよびGsDREADDのループをメラノプシンに導入することを試みた。まず、これらのDREADDがGq・Gsをそれぞれ選択的に活性化するかを検証した。その結果、それぞれのDREADDは対応するGタンパク質のみを活性化することが明らかになった。この結果を受けて、メラノプシンの細胞質側第2・第3ループを各DREADDのものに置換した変異体を作製した。これらの変異体のGq・Gs活性化能を測定したところ、どちらの変異体もGqおよびGsを共に活性化できなかった。この理由として、DREADDの原型はムスカリン受容体およびアドレナリン受容体であり、光受容体であるメラノプシンとは活性化時の構造変化が異なることが考えられる。 研究期間全体では、活性化速度を制御すると考えられる2つのチロシン残基(Tyr224、Tyr309)および細胞質側第2・第3ループについて変異体解析を行い、本来は活性化速度を制御すると考えられていたチロシン残基が細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を制御するという、当初の予想とは異なる結果を得た。また、アデノ随伴ウイルスを用いてマウスipRGCに変異型メラノプシンを発現し、個体レベルの光生理応答(体内時計の光調節および瞳孔反射)における変異の影響を測定する実験系を確立した。
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