2019 Fiscal Year Research-status Report
微生物型ロドプシンの包括的機能・構造解析に基づく新たなオプトジェネティクスの開拓
Project/Area Number |
19K16090
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小島 慧一 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60819267)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ロドプシン / 分子改変 / オプトジェネティクス / 光操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新奇微生物型ロドプシンの分子特性の解析と改変(基礎的研究)を通じて、動物細胞や個体における様々な生命現象(細胞内代謝、恒常性、細胞運命など)を光操作する新奇ツールの開発を開拓することを目指す。そのため、交付申請書に記載した実験計画に沿って、「微生物型ロドプシン分子特性の解析と改変」、「微生物型ロドプシン分子の利用、動物細胞・個体への適用」を進めてきた。 「微生物型ロドプシン分子特性の解析と改変」に関しては、(1)光駆動性アニオンチャネル・ACR2のレチナール近傍に4つのアミノ酸変異を導入することで、吸収波長が50nm長波長化し、かつチャネル開時間が大幅に延長化し、かつステップファンクション性の性質を示す新規光駆動性アニオンチャネルの作成に成功し、(2)光駆動性アニオン輸送体・SyHRの網羅的な変異体解析から、イオン輸送活性に重要なアミノ酸の同定に成功した。 「微生物型ロドプシン分子の利用、動物細胞・個体への適用」に関しては、(1)ACR2とその変異体を線虫の神経細胞に発現させ、既存の神経抑制性ツール(プロトンポンプ)と比べて約1万倍低い光強度で神経抑制が可能な低毒性ツールであることを実証し、(2)プロトンポンプ型ロドプシンを哺乳類細胞に発現させ、光依存的に細胞運命を制御することにも成功した。 以上のように、分子特性の解析に立脚して作成した改変型分子を複数得ることに成功し、新規の分子を細胞や個体レベルへと展開することに成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロドプシン類のアミノ酸配列比較・構造予測などから抽出したアミノ酸に着目することで、効率的に微生物型ロドプシンの変異体を作成し、分子特性や機能の解析を進めることができた。また、申請者が改良を進めてきた発現系(哺乳類培養細胞、大腸菌、酵母)及び解析系(単離精製手法、脂質2重膜への再構築系、分光学的手法、電気生理学的手法、生化学的手法、細胞生物学的手法)もロドプシン分子の研究に合わせて効率的に利用できている。 そのため、以上の手法の改良を継続することで、研究目的の達成を目指したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も継続して、「微生物型ロドプシン分子特性の解析と改変」、「微生物型ロドプシン分子の利用、動物細胞・個体への適用」を進めていきたい。 「微生物型ロドプシン分子特性の解析と改変」に関しては、(1)これまでに波長や分子特性に重要であると同定した4つのアミノ酸変異を他の光駆動性アニオンチャネル分子へと導入することで分子特性の改変を目指し、(2)光駆動性アニオン輸送体・SyHRに、アミノ酸変異を導入することで基質アニオンを改変した分子の開発を目指す。 「微生物型ロドプシン分子の利用、動物細胞・個体への適用」に関しては、(1)ACR2の変異体を動物の神経細胞に発現させ、光神経抑制ツールとしての有用性の実証、(2)プロトンポンプ型ロドプシンを用いた光依存的な細胞運命制御法の個体レベルへの適用を目指す。 以上のように、新たに見出した改変型分子を基盤として、様々な生命現象を効率的に誘起できるシステムの構築につなげたい。
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[Journal Article] How Does a Microbial Rhodopsin RxR Realize Its Exceptionally High Thermostability with the Proton-Pumping Function Being Retained?2020
Author(s)
Hayashi T, Yasuda S, Suzuki K, Akiyama T, Kanehara K, Kojima K, Tanabe M, Kato R, Senda T, Sudo Y, Murata T, Kinoshita M
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Journal Title
J. Phys. Chem. B
Volume: 124(6)
Pages: 990-1000
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Methodology for Further Thermostabilization of an Intrinsically Thermostable Membrane Protein Using Amino Acid Mutations with Its Original Function Being Retained2020
Author(s)
Yasuda S, Akiyama T, Nemoto S, Hayashi T, Ueta T, Kojima K, Tsukamoto T, Nagatoishi S, Tsumoto K, Sudo Y, Kinoshita M, Murata T
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Journal Title
J. Chem. Inf. Model.
Volume: 60(3)
Pages: 1709-1716
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A distinct lineage of giant viruses brings a rhodopsin photosystem to unicellular marine predators2019
Author(s)
Needham DM, Yoshizawa S, Hosaka T, Poirier C, Choi CJ, Hehenberger E, Irwin NAT, Wilken S, Yung CM, Bachy C, Kurihara R, Nakajima Y, Kojima K, Kimura-Someya T, Leonard G, Malmstrom RR, Mende DR, Olson DK, Sudo Y, Sudek S, Richards TA, DeLong EF, Keeling PJ, Santoro AE, Shirouzu M, Iwasaki W, Worden AZ
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. U S A
Volume: 116(41)
Pages: 20574-20583
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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