2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒト細胞におけるマイナーな組換え修復機構の解析:メカニズムと生理的意義
Project/Area Number |
19K16106
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
斎藤 慎太 横浜市立大学, 理学部, 助教 (60837897)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | DNA修復 / 二本鎖切断 / 組換え / Alu |
Outline of Annual Research Achievements |
二本鎖DNA切断は最も危険なDNA損傷であり、これがどのように修復されるかで細胞の運命が決まる。ヒト細胞では非相同末端連結 (NHEJ) もしくは相同組換えによって修復が行われるが、これらとは別の修復経路も存在する。こうしたマイナーな組換え修復の存在意義や分子機構の詳細はわかっていない。本研究では、ヒト培養細胞を用いてPolQに関する種々の機能解析を行うとともに、Alu配列の間で起こる組換えに関する遺伝学的解析を進めた。今年度の主な成果は以下の通り。 1. PolQにユニークなドメインの生理的意義の解明: PolQは他のDNAポリメラーゼと異なりN末端側にATPaseドメインとRad51結合ドメインを有するが、これらユニークな領域の意義を明らかにした。 2. PolQによる末端連結についての解析: 各種アッセイ系で得られた組換え体について、連結部位のシークエンス解析を行い、MMEJ型であるか非MMEJ型(挿入を伴う連結)であるかを網羅的に調べた。 3. Alu-Alu組換えに関与する因子の同定: Rad52やMsh2をはじめとするさまざまなDNA修復因子について、Alu組換えへの関与の有無と重要性を調べるとともに、Aluサブファミリーの種類や相同性が組換え効率に及ぼす影響についても系統的に調べた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトPolQの解析が概ね順調に進んでおり、一定の成果が得られているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒトPolQの構造機能相関についての解析を継続するとともに、Alu組換えのメカニズムの解明に取り組む。
|