2021 Fiscal Year Annual Research Report
リソソームはいかにしてストレスを感知し、恒常性維持機構を活性化させるのか?
Project/Area Number |
19K16118
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江口 智也 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (60829050)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リソソーム / LRRK2 / オートファジー / 膜損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
リソソームストレスに応答するタンパク質LRRK2について, LRRK2が集積するリソソームがオートファゴソームマーカーLC3陽性であること, またオートファゴソームのような1重の膜ではなく2重膜であることを電子相関顕微鏡法によって確認した。一部のオートファジー分子はオートファゴソーム膜上のみならずストレスを受けたリソソーム上においても活性化しLC3を集積させることが報告されており、今回の結果はオートファジー分子の新しい非オートファジー機能とLRRK2の関係を裏付けるものであると考えられる。またリソソーム膜をはじめ様々なオルガネラ膜の損傷ストレスに応答することを発見したPLAAT3に関して、複数の変異体を作成することで膜損傷応答のメカニズムを解析した。その結果PLAAT3のC末端側疎水領域が膜損傷応答に重要であること、この部分のアミノ酸配列そのものは重要ではないが物性は重要であること、最C末側の配列がこのタンパク質を細胞質にとどめておくのに重要であることなどが判明した。また膜の損傷においてPLAAT3が脂質膜へと挿入されていることを示唆する結果も得られた。これらの実験からPLAAT3は新規の膜損傷検知機構を有していることが示唆された。今後はこのメカニズムの詳細を明らかにするとともに、このような膜損傷検知機構を有するほかの因子が存在するのか探索することで、生体がオルガネラ膜の損傷に対してどのように応答するのかを解明することを目指す予定である。
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Research Products
(2 results)