2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on dynamics of the endoplasmic reticulum in dendritic spine
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19K16120
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
持田 啓佑 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (40837176)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小胞体 / 神経細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞内の成熟したスパイン(神経伝達における信号を受信する部位)には小胞体が輸送され、情報伝達の強度を制御すると考えられている。こうしたスパイン内部への小胞体の輸送は厳密に制御されていると考えられるが、このような小胞体の膜動態を局所的に制御する機構については不明な部分が多く残されている。小胞体膜の輸送などに関わる微小領域(マイクロドメイン)における局所的なタンパク質組成(プロテオーム)を決定するため、前年度より小胞体膜上に存在する特定のマイクロドメインのプロテオーム解析手法を開発してきたが、同定できるマイクロドメインの分解能・精度などに問題があったため、手法の改良を行った。生化学的な分画を組み合わせたプロテオーム解析の条件検討を進め、オルガネラ膜上における特定のマイクロドメインのプロテオームを網羅的に調べる方法が確立できた。実際に、標的とする構造体の複数のマーカータンパク質が単離できていることを確認している。この手法を用いて、SILAC (stable isotope labeling by amino acids in cell culture)法を用いた定量的なプロテオーム解析を進め、まず哺乳動物培養細胞において、小胞体膜上のおける特定のマクロドメインのプロテオームの決定を試みた。同定されたタンパク質の中には、細胞内輸送に関わるタンパク質や機能未知タンパク質なども含まれていた。現在これら因子について、細胞内局在や機能解析を進めている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小胞体膜上の特定のマイクロドメインのプロテオームを決定する新規手法を確立し、候補となるタンパク質を複数決定することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
同定した候補タンパク質について、その機能や動態について解析を進め、小胞体膜の動態に与える影響を解析する。また今後は初代培養神経細胞への応用を進め、神経刺激や神経細胞の成熟過程で起こる小胞体膜上の特定のマイクロドメインのプロテオーム変動を解析し、その変動が小胞体の膜動態に与える影響を調べる。
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