2020 Fiscal Year Research-status Report
GPIアンカー型タンパク質合成酵素は、 核の配置も制御する
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19K16132
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
川口 紘平 立教大学, 理学部, ポストドクトラルフェロー (10835515)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | GPI / 核膜 / ショウジョウバエ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度明らかにしたGPIトランスアミダーゼ複合体のサブユニットが核膜に存在することについて論文を投稿し、受理された(Kawaguchi et al., FEBS let., 2021)。 昨年度までの成果により、GPIトランスアミダーゼ複合体のサブユニットはお互いのタンパク質安定性に必要であることが明らかになった。興味深いことにPIGKサブユニットは他のどのサブユニットが失われてもタンパク質レベルで分解していることが明らかとなっていた(Kawaguchi et al., BBRC, 2019)。そこで哺乳動物細胞をもちいてPIGKの分解経路を明らかにすることにした。GPIトランスアミダーゼ複合体は小胞体と核膜に存在しているので(Kawaguchi et al., FEBS let., 2021)、PIGKは小胞体関連分解によって分解されるのではないかと考えた。小胞体関連分解に必要なE3ユビキチンリガーゼのノックアウトスクリーニングの結果、PIGKの分解にはHrd1が必要であることがわかった。現在この成果をまとめた論文を投稿中である。 申請書で計画していたGPIトランスアミダーゼ複合体の相互作用因子の解析を行なったが、残念ながら核膜タンパク質は同定されなかった。最終年度では別のアプローチによって研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は新型コロナウイルスの流行に伴い、大学が閉鎖となったため長い期間研究を中止せざえるをえなかった。このため研究がやや遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
質量分析計を用いた解析によってGPIトランスアミダーゼ複合体が核膜に存在するメカニズムを明らかにすることはできなかった。今後は当初の計画にしたがって、GPIトランスアミダーゼ複合体のうちどのサブユニットが核膜への局在に必要かどうかを検討し、そのサブユニットに存在する新規核膜局在シグナルの同定を目指す。現在その検討をするためのショウジョウバエ系統を樹立中であり、最終年度においてGPIトランスアミダーゼ複合体の核膜局在メカニズムの解明とその生理的意義について明らかにしていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度は新型コロナウイルスの流行により研究を長期間中止せざるをえなかった。そのため研究の進行が遅れたためにそれにともなう物品費も予定より大幅に少なくなった。そのため次年度使用額が生じた。次年度は当初の計画にしたがった研究を遂行するための物品費と得られた成果を発表するために学会に参加するための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)