2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating molecular mechanism of junctional remodeling
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19K16139
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井川 敬介 京都大学, 高等研究院, 特定研究員 (10791402)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞配置換え / Tricellular junction / アクチン細胞骨格 / 細胞間接着 / 上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、AIP1とcofilinによるアクチン細胞骨格再編成が細胞配置換え時の細胞間接着の切り替えに必要であるという研究代表者の過去の研究成果に立脚し、細胞間接着面が切り替わる際の局所的な分子動態を制御するメカニズムの解明を目的とする。2020年度は、2019年度に引き続き、AIP1とcofilinによるアクチン細胞骨格制御がショウジョウバエ蛹期の翅上皮の細胞配置換え過程で細胞接着頂点構造の構成因子を介して細胞間接着を再編成する分子メカニズムの解析に着手した。解析の着手にあたり、細胞接着面が再編成される際に形成されるミオシンリングに着目した (Ikawa and Sugimura. 2018)。2019年度においてミオシンリングの近傍でAfadinなどの複数のアドへレンスジャンクション構成因子が興味深い局在を示すことを見出していたが、この局在が細胞頂点構造の構成因子であるM6によって制御されることを見出した。また、AIP1及びcofilinがM6の局在制御に重要であることも明らかとなっ た。次に、アドヘレンスジャンクションを含めた本研究で特定した様々な細胞接着の分子群の機能欠損表現型を高解像度ライブイメージングによって解析を行った。以上の結果から、AIP1及びcofilinによるアクチン再編成が細胞頂点構造の因子であるM6を介してアドへレンスジャンクションを制御して、細胞間接着のリモデリングを促進していることが示唆された。 並行して、細胞配置換えの数理モデルの構築にも着手し、細胞接着面切り替え時にミオシンリングが不安定化される機構を数理的に解析中である。現在、以上の結果をまとめて論文に投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度中にほぼ全てのデータ取得を完了させて、論文投稿準備中であるため、概ね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度ではこれまでの研究によって明らかとなった細胞接着リモデリングの分子メカニズムを論文へと投稿し、アクセプトを目指す。具体的な推進方策としては、第一に、2020年度に観察した高解像度タイムラプスデータを定量的に解析する。第二に、定量データを元に数理モデルの実験検証を行う。第三に、以上のデータを論文としてまとめる。
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Causes of Carryover |
参加予定だった国際学会が中止になったことや、トランスジェニック系統の作製が2021年度になったことなどから次年度使用額が生じた。 今年度予算はショウジョウバエ維持のための消耗品やショウジョウバエ系統の購入代、論文の投稿費用、実験補助を担当する技術補佐員の人件費などへの使用を計画している。
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Research Products
(1 results)