2019 Fiscal Year Research-status Report
細胞外シグナル伝達を制御する核膜蛋白質の翻訳後プロセシング機構の解析
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19K16147
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
佐藤 夢子 (小林夢子) 帝京大学, 付置研究所, 特任助教 (00756447)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 核膜蛋白質 / 翻訳後修飾 / TGF-βシグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
MAN1は膠原病患者の抗核膜抗体により認識される核内膜蛋白質で、TGF-βシグナル伝達で働く転写因子のR-Smadと直接結合し、TGF-βシグナルの抑制因子として働く。本課題は、MAN1の翻訳後修飾、特にプロセシング(酵素的切断)機構に注目し、核膜蛋白質の新しい機能を明らかにすることを目的としている。 アフリカツメガエルのMAN1蛋白質のプロセシング部位、及び翻訳後修飾部位を、幾つかのデータベースを用いて予測した。データベースでは、アフリカツメガエルのMAN1蛋白質のプロセシング部位は該当しなかったが、他の生物種で同定されているリン酸化やユビキチン化、メチル化などの翻訳後修飾部位が、アフリカツメガエルのMAN1にも保存されている事が分かった。特に、BMPシグナル存在下でリン酸化される部位が、アフリカツメガエルのMAN1にも保存されていることから、BMPシグナル下によるMAN1のリン酸化修飾と、MAN1によるBMPシグナル抑制という、2つの制御機構の関連性が考えられた。現在は、MAN1の翻訳後修飾部位に変異を入れたコンストラクトを作成している段階であり、翻訳後修飾によるMAN1蛋白質の安定性や細胞内局在の変化、R-Smadとの相互作用やTGF-βシグナル伝達系への影響を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は、実施期間の初年度であり、データベースを用いた翻訳後修飾部位の予測と、当該蛋白質のクローニングやコンストラクト作成に時間を費やした。 研究代表者の学内業務の多忙のため、それらの準備が完全ではないが、今年度は作成した試料をもとに、アフリカツメガエル胚を用いた解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、実際にアフリカツメガエル胚を用いて、蛋白質発現解析を行う。また、得られた結果や成果に関しては、国内シンポジウムで発表することを念頭におき、入念な準備のうえで遂行するものとする。 令和3年度は、当該研究の最終年度であるため、国際誌への論文投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
令和1年度は、データベースを用いたMAN1の修飾部位の推定と、解析に用いる実験試料の準備と作成を行った。次年度以降は作成した試料を用いて、アフリカツメガエルを用いた発現解析を遂行するため、また得られた結果をシンポジウムなどで発表するために、未使用額はその経費に充てる予定である。
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