2021 Fiscal Year Annual Research Report
Epigenetic diversity and functions
Project/Area Number |
19K16195
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊田 峻輔 大阪大学, 医学系研究科, 招へい研究員 (10727415)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / 双子 / 遺伝 / 脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、神経細胞の多様性や可塑性、精神疾患におけるエピジェネティック修飾の重要性が示唆されているが、その分子機構についてはまだ不明な点が多い。そこで本研究では、日本国内で最大の医学系双子レジストリである大阪大学ツインリサーチセンターの協力のもと、遺伝情報が同一な一卵性双生児ペアに着目することで、エピジェネティックな多様性と生理機能との関連性について明らかにすることを試みた。ヘルシンキ大学フィンランド双生児研究グループへの留学から帰国した2020年夏から引き続き、2021年度も新型コロナウイルスの収束が見通せなかったため、取得済みサンプルやデータの解析と論文執筆を主として進めた。これまで脳情報通信融合研究センターにて収集した、自然な視聴覚体験中の双生児のfMRIデータについて、2020年度までに進めていた全脳レベルのマルチボクセルの活動パターンのピアソン相関やHolzinger遺伝率の解析に加え、論文の共著者からのコメントに応じて級内相関やFalconer遺伝率の追加解析を行った。これらの結果を共同筆頭著者及び共同責任著者として論文にまとめ、9月から学術雑誌に投稿を開始した (現在査読中)。また、Research Square上にプレレビュー論文を公開し、3件の学会発表を行った。分子機構については、大阪大学ツインリサーチセンターにて保存されている双生児のDNA試料の一部を用いて全ゲノムシークエンスとメチル化ビーズアレイ解析を行った。コロナ禍のため、大学での実験や解析については制限が多かった。私自身は共著者ではないが、留学先のヘルシンキ大学の研究者が共著となっている一卵性双生児に関わるエピジェネティクスの論文 (van Dongen et al., 2021, Nat Commun) は目指す解析であったが、実際に行うためには研究資源や技術上の課題が多く、今後の参考にしたい。
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