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2023 Fiscal Year Annual Research Report

被子植物の多様化機構としての花の左右相称化

Research Project

Project/Area Number 19K16210
Research InstitutionAichi University of Education

Principal Investigator

常木 静河  愛知教育大学, 教育学部, 講師 (10632789)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords繁殖干渉 / 共生系
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、左右相称性に違いがみられるクワガタソウ属について、昆虫の訪花頻度と花の左右相称性の関係を、近縁種間および種内の集団間で比較することで、花の左右相称化が他殖という繁殖システムのシフトに伴って起こるのかどうかを検証することを目的とした。自殖しやすい花と他殖しやすい花の構造的な違いとして、雄蕊と雌蕊の最適な配置の仕方が異なることに注目することで、左右相称性が繁殖システムのシフトに伴って起こるという新規の仮説を考えた。この仮説を実証できれば、被子植物が多様化する過程で、左右相称性が進化したり、失われたりすることで、繁殖システムも転換している可能性を示すことになり、送粉者との共生系の中でどのように被子植物が爆発的な多様化を遂げたのか知ることができる重要な研究となる。
外来種オオカワヂシャと混生しているカワヂシャ集団と混生していないカワヂシャ集団間の開花特性、種子の結実数、昆虫の訪花頻度を調査した結果、両集団で、花弁の左右相称性には差は認められなかったが、外来種と混生しているカワヂシャ集団では雄しべと雌しべの接触時間が伸び、自殖率が高くなることが分かった。外来種との混生集団では訪花昆虫相が変化することが示唆された。またゲノム量の測定より、オオカワヂシャとカワヂシャは雑種1代だけでなく、両方向にバッククロスが起こっていることがわかった。さらに、訪花昆虫の観察から、カワヂシャは訪花者であるハナアブ類と蜜や花粉を介した共生関係だけでなく、繁殖場所を提供する替わりに、幼虫の餌として害虫のアブラムシを駆除してもらう共生関係が成り立っていることも新奇に明らかとなった。

  • Research Products

    (3 results)

All 2024 2023

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] 外来種オオカワヂシャの存在下での在来種カワヂシャの繁殖様式の変化2024

    • Author(s)
      山内寧々、早瀬元晴、「芹沢俊介、常木静河
    • Organizer
      日本植物分類学会第23回大会
  • [Presentation] Revealing the mixed-mating mechanism in the wild: modulation of selfing rates by the duration of stamen-pistil contact.2024

    • Author(s)
      Shizuka Tsuneki, Nene Yamauchi, Motoharu Hayase, Makoto Nino and Shunsuke Serizawa
    • Organizer
      International Botanical Congress 2024
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] カワヂシャとホソヒメヒラタアブ属にみられる共生系2023

    • Author(s)
      早瀬元晴、太田岬、芹沢俊介、常木静河
    • Organizer
      第55回種生物学シンポジウム

URL: 

Published: 2024-12-25  

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