2020 Fiscal Year Research-status Report
都市化が種分化を促した?:同所的に生育するサギゴケ科植物の種分化機構の解明
Project/Area Number |
19K16219
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
山本 将也 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 助教 (80826834)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 種分化 / 都市化 / 送粉生態 / ムラサキサギゴケ / 形質進化 / 都市環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画では、2年目に(1)サギゴケーカワセミソウの系統地理学的解析、(2)野生集団における遺伝子流動の推定、(3)都市ー非都市環境における訪花者調査と繁殖形質の測定を行う計画であった。 (1)については、全国90地点から集団サンプリングを行い、現在は新規に開発したマイクロサテライトマーカーを用いて集団解析を行っている途中である。(2)についても同様にサンプリングは完了しており、集団遺伝解析に移行している。しかし、(3)については、サギゴケの開花時期に新型コロナウィルスが蔓延し、全国規模の緊急事態宣言が発令されたために出張が禁止され、当該調査を全く行うことができなかった。したがって、計画全体に遅延が生まれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究に関わる実験環境および機器のセットアップのために、DNA分析への移行にかなりの時間が必要であった。また、春の緊急事態宣言下においては、大学側から県内・県外を問わず出張が禁止され、必要な生態学的調査を全く実施できなかった、これらの理由により、研究の進捗に遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的達成のための一連のDNA分析については、今年度前半に実験・解析は全て終了する予定であり、今後特段の問題は生じないものと思われる。一方で、予定していた生態調査のほとんどが新型感染症の影響で実施できていない。野外調査の出張が禁止されているために、代替措置を講ずることが困難であり、状況が劇的に好転しない限り、研究のさらなる遅延が生じることは必至と考えられる。
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Causes of Carryover |
新型感染症の拡大に伴い、出張が禁止とされ、旅費が余った為。
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