2020 Fiscal Year Research-status Report
ホタル類の幼虫期における集団発光の適応的意義と集合・離散メカニズムの解明
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19K16233
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 臨 東京都立大学, 都市環境学部, 特任研究員 (00809725)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生物発光 / 群れ / 発光コミュニケーション / 採餌戦略 / 被食防衛 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に続き、発光ルアーについての実験と捕食者への警告シグナルの評価のための実験を実施した。琉球列島に生息するマドボタル幼虫と同所的に生息するカタツムリ複数種を用いて、録画した幼虫の発光の映像等を提示し、光へのカタツムリ類の走光性を評価した。また初年度に採集したホタル類とカタツムリ類を用いて、これらの捕食-被食関係における種間相互作用についても明らかにした。捕食者への発光による警告シグナルの検証については琉球列島のカエル類とマドボタル類を用いて実験を実施する予定であったが、コロナ禍により現地への往来が難しく実験サンプルを確保できなかった。現在、関東に在来する種を用いての実験に転換するため、飼育および実験環境の調整を行っている。また、ホタル幼虫間の発光コミュニケーションを検証するための野外実験については、実験に適したいくつかの候補地を選定できているものの、野外実験を実施できていない。そのため、関東の個体群を用いた実験を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
一年目2月以降の緊急事態宣言等により、調査地である沖縄県への出張および調査ができなかったため、本年度に予定していた実験等を十分に実施できておらず遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
琉球列島での現地調査やサンプル採集を必要とする実験が滞っているため、渡航を必要としない関東の個体群を用いた実験の体制を整える。飼育や十分な実験サンプルの確保が難しいため、飼育システムの確立も行っていく必要がある。琉球列島での調査については社会状況の動向を見ながら慎重に検討して実施する。
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Causes of Carryover |
調査旅費の使用が少なかったため、翌年度請求分と合わせて調査旅費などの用途にあてる。
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