2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K16248
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
人羅 菜津子 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (40762191)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経科学 / 不安障害 / 記憶学習 / 光遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ある行動を起こすべきか否かは、報酬刺激に誘発されて行動を促す Go シグナルと、嫌悪刺激に誘発されて行動を抑制する No go シグナルのバランスによって決定すると考えられる。適切な行動選択は生物が環境に適応して生存するために重要である。しかし、うつ病患者では No go シグナル、薬物依存の場合には Go シグナルのバランスが強くなり、前述のメカニズムが破綻している可能性がある。本研究では、適切な行動を選択するための脳内メカニズム解明を目的とした。 私たちが独自に考案した葛藤行動試験では、マウスが報酬刺激を得るためには嫌悪刺激を受けなければならない。この試験を用いて、恐怖を乗り越えて行動を起こす際の神経回路活動を解明する。マルチサイトファイバーフォトメトリー法は、自由行動下マウスの複数の脳領域から神経活動を同時に観察することを可能にする手法である。このマルチサイトファイバーフォトメトリー法を用いて、行動試験中のマウスの神経回路活動を詳細に記録した。 また、これまでに、大脳皮質-脳幹回路の光遺伝学的手法による活性化が恐怖を乗り越えて行動を起こすことを促進することを見出している。光駆動性陽イオンチャネルであるチャネルロドプシン(ChR2)を用いて経路を選択的に活性化した。経路の人工的な活性化は、マウスの行動を促進して報酬潜時を短縮させたことから、経路の活動の行動に対する十分性が示された。反対に、光駆動性塩化物イオンポンプであるハロロドプシン(NpHR)を用いて経路を選択的に不活性化した。経路の人工的な不活性化は、マウスの行動を抑制して報酬潜時を延長させたことから、経路の活動の行動に対する必要性が示された。本研究では、その下流の神経回路メカニズムを探索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、マウスの葛藤行動が報酬・嫌悪刺激のバランスによって、静的・動的の2つの段階に分けられることを示した。マルチサイトファイバーフォトメトリー法を用いて、恐怖を乗り越える行動を起こそうかどうか迷っている時の複数の神経回路活動を記録することにも成功しており、研究の進捗状況はおおむね順調と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
フォトメトリーデータの解析を進め、経路の活動が静的・動的葛藤行動にどのように関わるかを調べる。また、大脳皮質-脳幹回路の下流のメカニズム解明を進める。
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Causes of Carryover |
(次年度使用額が生じた理由)安定した実験系を確立するための条件検討が順調に進行し、必要な動物数を少なくすることができたため。 (使用計画)静的・動的葛藤行動の2段階性についてより詳細な検討を進めるための実験に必要な、動物、ウイルスベクター、光ファイバー等の消耗品を購入する。
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Research Products
(4 results)