2019 Fiscal Year Research-status Report
環境に依存して行動を制御する線条体直接路・間接路の機能の解明
Project/Area Number |
19K16264
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
西澤 佳代 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30644108)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 弁別学習 / 背側線条体 / 大脳皮質 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境の変化に対する適応行動は、脳の持つ本質的な役割であり、この適応行動の基盤となる神経ネットワークの仕組みの解明は、神経科学領域において克服すべき重要な課題である。本研究は、大脳基底核の中心的な神経核である線条体が、環境に依存した正確な行動の制御に対してどのような役割を果たすのかを明らかにする。 弁別学習との関与が示唆される線条体背側部に着目し、経路選択的な神経回路操作技術を応用し、線条体投射ニューロンをはじめ、大脳皮質-線条体回路による弁別学習の制御機構解明に取り組む。弁別学習の障害は、パーキンソン病患者において高次機能障害の一症状として観察される事から、弁別学習における線条体を媒介する制御機構の解明は、高次機能障害の新しい治療法へとつながる基盤となる事が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の一つである背側線条体直接路の役割と機能分化の解明において、DMSやDLSに由来する線条体直接路に対する選択的除去の組織実験に関して確かな結果が集積していることから、順調に進展していると判断したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は線条体へ投射する皮質ニューロンと弁別学習の形成・維持過程における関係性に注目し、皮質-線条体回路の弁別学習における役割と機能分化について検討を進める。
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Causes of Carryover |
ラットの購入や飼育管理費、神経活動阻害剤等の試薬購入費用に充てるため
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