2019 Fiscal Year Research-status Report
知的障害と関連する神経分泌リガンドLGI3の受容体の同定および性状解析
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19K16269
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
宮崎 裕理 生理学研究所, 分子細胞生理研究領域, 特任助教 (70837260)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | LGI3 / 知的障害 / 分泌蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
LGIファミリー蛋白質(LGI1-LGI4)は、中枢及び末梢神経系に発現する分泌蛋白質である。LGIファミリー遺伝子の変異は、てんかん(LGI1、LGI2機能異常)や末梢神経髄鞘低形成(LGI4機能異常)などの神経疾患を引き起こすことが知られている。一方、近年のヒト遺伝学的な研究によって、LGI3遺伝子変異と家族性の知的障害発症の関連性が報告され、LGI3の高次脳機能における重要性が示唆されている。しかしながら、LGI3の有する生理機能は十分に理解されていない。本研究では、LGI3の生理機能を明らかにし、LGI3の機能不全を原因とする脳機能異常の全容解明を目指す。 2019年度は、LGI3の性状解析を目的として、エピトープタグを付加した内在性のLGI3遺伝子を発現するノックインマウスを作製した(生理学研究所・平林グループとの共同研究)。このマウス脳を用いた組織学的解析を開始し、LGI3が脳領域の選択性をもって発現していることを明らかにした。また、ノックインマウスを作製する過程で、LGI3蛋白質が分泌不全を示すLGI3機能不全変異マウスを同時に樹立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、LGI3ノックインマウスを作製し、その組織学的な解析によってLGI3の脳内局在が明らかとなった。さらに、LGI3の生理機能の解析に有用であるLGI3機能不全変異マウスを同時に樹立することができた。次年度は、これらの遺伝子改変マウスの解析を行うことで、LGI3の生理機能の解明が進むことが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
LGI3ノックインマウスの組織学的な解析を進め、LGI3の詳細な細胞内局在を明らかにする。また、ノックインマウスの脳組織から、エピトープタグを利用してLGI3を含む複合体を精製し、LGI3相互作用蛋白質の同定を試みる。さらに、LGI3機能不全変異マウスの表現型解析を行う。
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