2020 Fiscal Year Annual Research Report
小脳プルキンエ細胞が独特の形態の樹状突起を形成するin vivoでの分子機構
Project/Area Number |
19K16279
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐竹 智子 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 客員研究員 (20635130)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プルキンエ細胞 / 樹状突起 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度に単離したマウス小脳に発現する2つのMTCL2のアイソフォームが、プルキンエ細胞に発現しているのかを調べた。そのために、野生型マウス(WTマウス)、プルキンエ細胞特異的MTCL2ノックアウトマウス(cKOマウス, exon 14を欠損)の小脳からcDNAを調製し、MTCL2の各アイソフォームを特異的に増幅するプライマーを使った定量PCRを行った。その結果、全長のMTCL2の発現はWTおよびcKOに差は無かったが、exon 5-15からなるアイソフォーム(アイソフォーム1)とexon 12-15からなるアイソフォーム(アイソフォーム2)は、cKOでの発現が明らかに少なかった。このことから、MTCL2のアイソフォーム1と2が、プルキンエ細胞で発現していると結論付けた。 同定したMTCL2のアイソフォーム1と2が、プルキンエ細胞の平面状の樹状突起の形態形成に関わるのかを検証する実験には着手できなかった。 アイソフォーム1と2以外にも、小脳に発現するMTCL2のアイソフォームがあるかを探索した結果、exon1-5からなるアイソフォーム3を同定した。興味深いことに、アイソフォーム3はMTCL2のexon 14を欠損したノックアウトマウス(KOマウス)の小脳で、完全に発現が消失していた。これは、MTCL2遺伝子では、exon 14がMTCL2遺伝子自体の発現の制御に関与していることを示唆する結果である。加えて、MTCL2のexon 5を認識する抗体を用いたWTとKOマウスの小脳切片の免疫染色の結果から、アイソフォーム3は小脳のバーグマングリア細胞に特異艇に発現していると考えられた。
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