2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of clustered protocadherins on neural mechanisms and networks of temporal perception.
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19K16287
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉武 講平 新潟大学, 脳研究所, 助教 (60649218)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 時間感覚 / 大脳皮質 / マウス / 光学イメージング / フラビン蛋白蛍光イメージング / プロトカドヘリン / 予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
“ヒトを含む動物はどのように時間を知覚しているのか?”という問いは古くから哲学・心理学の分野で取り組まれてきた。動物が外界の情報を予測し、適切なタイミングで意思決定するには、正確な時間の知覚は不可欠である。しかし、いわゆる五感の中に時間感覚というものは無い。また、時間知覚に特化した感覚器は存在しないし、時間情報を特異的に処理する時間皮質も見つかっていない。それにもかかわらず、我々は1秒と10秒を明確に弁別することができる。 申請者は時間知覚が脳内でどのように行われているかを分子・細胞・回路レベルで理解するために、マウスを用いて時間知覚の研究を始めた。マウスに一定の時間間隔で視覚刺激を繰り返し与え続けると、やがてマウスの大脳皮質視覚野は刺激が来ることを予測するかのように、刺激開始数百ミリ秒前から応答することを見出した。この結果はマウスが刺激間隔を知覚し、次の刺激がいつ現れるのかを予測していることを示唆するものである。 クラスター型プロトカドヘリンα(cPcdhα)は神経細胞ごとに多様性をもって発現し、神経細胞の個性と特異的な神経回路形成に重要であることが考えられている。また、cPcdhαが感覚連合や短期記憶、連想記憶などの脳機能に関わることも示唆されている。ヒトにおいて自閉症の関連因子のひとつであることが指摘されている。。このcPcdhαの発現の多様性を減少させたマウスでは、繰り返し刺激に対する視覚野の予測応答が見られなかった。この結果はcPcdhαの多様性を減少させることにより、時間知覚にも障害が起こる可能性を示唆する。
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