2019 Fiscal Year Research-status Report
Effect of perampanel on acute and chronic itch in mice
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19K16294
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
治田 彩香 宮崎大学, 医学部, 助教 (80773316)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Perampanel / Scratching / Mouse / Acute pruritus / Chronic pruritus |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 急性の痒みに対するペランパネルの効果の検討 AMPA/ kainate受容体拮抗薬であるNBQXで前処理を行い、痒み誘発物質であるクロロキン及びヒスタミンの皮下投与により誘導される急性の痒みを弱めるか評価した。NBQX(5μl、0.5μg/5μl)はクロロキン及びヒスタミン誘発性の急性の引っ掻き行動を有意に抑制した。これは、秋山ら(2014)の報告と矛盾しない結果であった。 次に、急性の痒みに対するペランパネルの髄腔内の効果を検討した。ペランパネル(5 μg / 5 μl~5×10-4 μg / 5 μl)はクロロキン誘発性の急性の引っ掻き行動を抑制した。クロロキン誘発性の急性の痒みに対し、少なくとも240分間引っ掻き行動の抑制効果が持続することが示唆された。ヒスタミン誘発性の急性の痒みに対しては、有意な痒み行動の抑制は認めなかった。これらの結果から、AMPA受容体は非ヒスタミン系の痒みに、kainate受容体はヒスタミン系の痒みに関与していると推察された。 2) 慢性の痒みに対するペランパネルの効果の検討 1%diphenycylopropenone(DCP)を皮膚に塗布すると、マウスは継続した引っ掻き行動を提示するので、これを慢性の痒みモデルマウスとした(接触性皮膚炎モデル)。この慢性痒みモデルマウスにおける引っ掻き行動の回数を痒みの指標とし、慢性の痒みに対するペランパネルの髄腔内投与の効果を検討した。MicroAct測定ユニットを使用して2日間マウスの行動を観察した。DMSO+ぺランパネル(5μg / 5 μl~5×10-2 μg / 5 μl)の髄腔内投与を行った群は、DMSOのみ髄腔内投与した群と比較し、引っ掻き行動を2日間有意に抑制した。暗期、明期と分けた場合でも、それぞれ2日間有意に引っかき行動を抑制した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定通りに進行したが、実験2)において、DCPにより誘発した引っかき行動は、対照群でも日に日に減弱していく傾向がみられた。そのため、引っかき行動がより維持されやすいと考えられるアトピー性皮膚炎モデルでの実験を検討している。アトピー性皮膚炎モデルマウスを使用した実験計画は下記【今後の研究の推進方策】に記載の通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
実験3)慢性の痒みに対するペランパネルの効果の検討(アトピー性皮膚炎モデル) ソムノペンチル麻酔下で、NC/Ngaマウスの両側足背の皮下に磁石(コーティング付測定用マグネット)の埋め込み術を行う。さらに、イソフルラン麻酔下で、マウスの頸背側部1cm×1cmの範囲を剃毛し、剃毛した皮膚の上に週2回ずつ3週間にわたって4%SDS水溶液150μLを塗布し、その3時間後にビオスタADを塗布する。塗布後第1週目、第2週目、第3週目と第4週目に、MicroActを用いて、引っ掻き行動の回数を1時間測定する。SDS水溶液、ビオスタAD塗布1週後に、イソフルラン麻酔下のマウスの髄腔内へDMSO、及びDMSOで溶解した様々な濃度のペランパネル(2mg/5μl、1mg/5μl、0.5mg/5μl、0.1mg/5μl、0.05mg/5μl、0.01mg/5μl、0.005mg/5μl)をそれぞれ5μl注入し、MicroActを用いて、引っ掻き行動の回数を1時間毎、120時間測定する。この間は、MicroAct測定ユニット内に餌を入れ与える。MicroAct測定ユニットに給水瓶も設置し、水も絶やさず与えられる環境にする。
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Causes of Carryover |
2019年度に、接触性皮膚炎のモデルマウスを用いて慢性の痒みに対するペランパネルの効果を評価したが、アトピー性皮膚炎のモデルマウスを用いての検討も必要と判断するに至り、途中計画を変更したため、未使用額が生じた。このため、アトピー性皮膚炎のモデルマウスでのデータ解析と学会での発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(2 results)