2021 Fiscal Year Annual Research Report
運動発現の制御と目標指向行動に関わる大脳基底核・直接路および間接路の神経基盤研究
Project/Area Number |
19K16300
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野々村 聡 京都大学, 霊長類研究所, 特定助教 (10737125)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光遺伝学 / 線条体 / 直接路 / 間接路 / 目標指向行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ラットを対象とした認知行動課題と光遺伝学的手法を適用することで、運動発現の制御と目標指向行動に関わる線条体内の小区分(背外側・背内側・腹側)における直接路および間接路の神経活動特性を明らかにすることを目的としている。最終年度である本年度は、これまで記録した線条体内小区分における直接路と間接路の神経活動特性の解析に加え、さらに、線条体に投射をしている黒質緻密部のドーパミン細胞の神経活動記録を行なった。その結果、背外側線条体では直接路と間接路は同様の活動特性を示すのに対し、背内側線条体の直接路と間接路は報酬に対して拮抗的な活動特性を持つことがわかった。さらに、これらの領域に投射をしているドーパミン細胞は、背内側線条体の直接路と間接路の報酬応答を修飾する活動特性があるのに対し(従来の仮説通り)、運動実行時期の背内および背外側線条体の直接路、間接路や、報酬時期の背外側線条体の直接路、間接路にはその修飾作用がないこと(本研究における発見)がわかった。現在、これらの成果は、論文投稿準備中である。
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