2022 Fiscal Year Annual Research Report
くも膜下出血後の脳損傷に対する5-アミノレブリン酸の治療効果の検討
Project/Area Number |
19K16301
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
宮岡 亮 産業医科大学, 医学部, 助教 (80834796)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | くも膜下出血 / 早期脳損傷 / 5-アミノレブリン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳神経外科領域において悪性神経膠腫の術中診断等において現在本邦で既に広く用いられている5-アミノレブリン酸(5-ALA)が有する抗酸化作用およびミトコンドリア機能増強作用に着目し、くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage; SAH)後に発生するearly brain injury (EBI)ならびに脳血管攣縮によるdelayed ischemic neurological deficit (DIND)を改善する可能性について検討し、SAHに罹患した患者の神経学的予後の改善を目指した治療応用へと展開することを目的としている。 本研究で目指す5-ALA投与によるSAHモデル動物の長期機能予後の改善効果を検証するにあたり、治療ターゲットとなるEBIの病態を忠実に再現することができるEndovascular perforation(EP) 法によるラット穿刺SAHモデルをSAH重症度の非侵襲的かつ急性期に評価可能な画像評価法の開発が必要不可欠であり、それを達成した。具体的には、EPラットSAHモデルの作成時点でのSAH重症度を評価するため、造影剤を用いたmicro CTによる評価法を確立し、評価後の長期機能予後の観察を可能にした。本手法は、特許の出願および医学論文、学会シンポジウム等にて発表を行った。以後、研究課題である5-ALAによる治療効果の検証のため、5-ALAを用いてSAH発症後の長期予後および神経学的脱落症状にどのような影響を与えるかを重症度毎に解析するため、脳組織を用いた病理学的および生化学的評価、ビデオモニタリングによる神経行動学解析等を実施し効果の検証を行った。
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