2020 Fiscal Year Annual Research Report
Copper-catalyzed oxidativeC(sp3)-H functionalization under molecular oxygen
Project/Area Number |
19K16309
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
熊田 佳菜子 東北大学, 薬学研究科, 助教 (30748504)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 炭素-水素結合官能基化 / 複素環化合物 / 分子状酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な有機化合物に遍在する sp3炭素-水素結合を遷移金属触媒により直截的に官能基化する反応は,アトムエコノミー・ステップエコノミーに優れた有用な手法である.しかしながらこれまでの報告は,金属や超原子価ヨウ素,過酸化物等の酸化剤を当量以上用いており,安価な試薬を用いた廃棄物を出さない新規化学プロセスの開発が求められている.今回申請者は,銅と酸素分子から形成される copper oxo 錯体を用いることで,分子状酸素を酸化剤とした C(sp3)-H 結合官能基化による新規複素環骨格構築法の開発を計画し,研究を行った. 具体的には,アニリン誘導体の C(sp3)-H 結合官能基化によるフェナントリジン骨格構築法の開発を目指し,2'-benzyl-[1,1'-biphenyl]-2-amineをモデル基質として用い,反応条件の検討を行った.検討の結果,Cu2O 5 mol%, TBAOH (10% in MeOH) 5 mol%, DCE (0.10 M) 溶媒中, 80 °C にて酸素バルーンを用いて反応を行うことで,フェナントリジン体が良好な収率で得られることが分かった.続いて,本反応の基質適用範囲について検討を行った.アミノ基を有するベンゼン環上の置換基について検討を行ったところ,p位に電子供与性基を持つ基質は良好な収率で反応が進行した.一方で,電子求引性基を持つ基質では反応性の低下がみられたが,二気圧の酸素雰囲気下にて反応を行うことで中程度の収率で目的の環化体が得られた.また,その他のベンゼン環上の置換基について検討を行ったところ,電子求引性基,電子供与性基に関わらず良好な収率でフェナントリジン体が得られた.
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