2020 Fiscal Year Research-status Report
真菌由来化合物ダイナピノンAが示す中性脂質分解促進活性の作用機序解析
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19K16320
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小林 啓介 北里大学, 薬学部, 助教 (80794734)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中性脂質 / ケミカルバイオロジー / ケミカルプロテオミクス / コレステリルエステル / 天然物 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内中性脂質蓄積阻害剤である真菌由来化合物ダイナピノンA (DPA) は、2つの軸異性体 (DPA1, M体とDPA2, P体) の1:1の混合物 (DPAmix) が最大の活性を示すというこれまでに前例のない生物活性を示す。本研究では、DPAの作用機序を解明するために、標的分子がタンパク質であると想定し、DPA結合タンパク質の探索を行った。一般的には、化合物を誘導体化したケミカルプローブを用いた標的分子の探索が行われるが、DPAは誘導体化により、活性を消失してしまう。そこで、プローブ化を必要としない手法としてCellular Thermal Shift Assay (CETSA, Science 341, 84 (2013) の手法) を応用し、2次元電気泳動を用いることで、DPA1、DPA2およびDPAmixそれぞれに対応する結合タンパク質の探索を行った。その結果、DPAmix処理により顕著にバンドパターンが変化したタンパク質を3つ見出した。その中の1つであるprohibitin (PHB1) について、先行研究で脂肪滴 (中性脂質を貯蔵する細胞内小器官) の形成への関与が報告されていたことから、DPAの活性との関連性があると考え、さらに研究を進めた。しかし、siRNAを用いたPHB1ノックダウン細胞やPHB1過剰発現細胞におけるDPAの活性に変化が認められなかったことから、DPAの標的分子はPHB1ではないことが示唆された。 並行して、微生物資源より中性脂質代謝を制御する化合物を探索し、中性脂質の一つであるコレステリルエステル蓄積阻害剤として発見した新規化合物について学会発表・論文発表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響で、細胞培養など継続的な研究環境の維持に支障が出たこと、研究試薬の調達に時間がかかったことなどから、計画通りに研究が進まなかった。その遅れをカバーすべく、研究期間の延長申請も行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
標的分子の探索で得られた、他の候補2分子について解析を進める。 CETSA法で標的分子が得られていない可能性も考慮し、トランスクリプトーム解析などから標的分子の絞り込みを行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で研究が大幅に遅れたことから研究期間の延長申請を行なった。 次年度使用額は、細胞培養用の消耗品購入や、トランスクリプトーム解析の外注費などで使用予定である。
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