2021 Fiscal Year Research-status Report
アズレンを有するN,N-ジアリール型芳香族アミドの立体構造と環境応答
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19K16323
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| Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
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Principal Investigator |
伊藤 愛 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (00353491)
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2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | アズレン / アミドの立体優先性 / 結晶構造 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、タンパク質の構成要素でもあるアミドの相互変換に着目し、芳香族アミド化合物の立体優先性に基づく分子の予測・制御を目指し、5員環側が負の、7員環が正の性質を示すアズレンを組み込んだN,N-ジアリール型芳香族アミドの立体構造特性について検討する。
本年度は、アズレンの置換位置の違いによるアミドの立体環境の影響について明らかにするため、窒素上に2つのアズレン環をもつ新規N,N-ジアズレニル型アミド化合物をデザインおよび合成し、その立体構造特性について検討した。
N,N-ジアズレニル型アミド化合物は、アズレンより数工程で合成した各種ハロアズレン (2-ヨードアズレンおよび6-ブロモアズレン) を用いたカップリング反応により合成した。得られた化合物について結晶化を検討し、単結晶Ｘ線結晶構造解析を行った。これらの結晶構造を基に、それぞれのアズレン環とアミド平面との二面角について解析した結果、トランス側（アミドカルボニル酸素側）とシス側 (アミドカルボニル酸素と反対側)ではアミド平面に対する芳香環のねじれに差が生じることが分かった。すなわち、シス側に位置した芳香環は、いずれもアミド平面に対しねじれて存在したが、トランス側に位置した場合は、芳香環の大きさや置換位置の違いよりアミドカルボニル周辺の立体環境が大きく変化することが明らかとなった。また、これらのうち、再結晶溶媒により結晶内の分子のパッキング状態が異なる化合物も確認した。溶液中での挙動については、温度可変、2次元NMR測定による解析を進めている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、感染拡大を防止する対策を取りながら実験を遂行することができたものの、前年度の新型コロナウイルス感染症感染拡大防止に伴う研究活動の制限により、当初の計画に遅れが出ている。以上の理由から、当初の計画期間を変更し本研究課題の実施期間を１年間延長した。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討により、N,N-ジアリール型芳香族アミドの立体制御において、アミド酸素と窒素上の芳香環との立体環境が重要であることが分かってきた。本研究課題を通じ、N-アズレニルアミド化合物の立体予測だけでなく、アズレン類に特有の構造特性も見出しつつある。このような構造特性の解明は、アミド化合物の立体構造特性の解明に重要であるため引き続き検討を進めて行く。
また、立体構造の予測を目指し、溶液および結晶中における構造解析のため、低温NMR解析やX線結晶構造解析を用いて行う。また、pHなどの環境応答に対する立体構造変換についても検討を進める予定である。
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| Causes of Carryover |
本年度(2021年度)は、研究の遂行に必要な試薬や溶媒購入に経費を充てたが、前年度の新型コロナウイルス感染症感染拡大に防止に伴う研究活動の制限により、実験に関する物品費や学会参加に関する旅費に余剰が生じた。2022年度は、計画に従って本研究を遂行し助成金を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)
