2019 Fiscal Year Research-status Report
N―ヒドロキシアミンの特性に基づく官能基選択的反応の開発
Project/Area Number |
19K16329
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
中村 光 近畿大学, 薬学部, 講師 (50706629)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 転位反応 / テトラゾール / ヒドロキサム酸 / オキシム |
Outline of Annual Research Achievements |
天然物中に多く見出されるヒドロキサム酸は、生理活性発現のための重要な基本骨格として知られている。以前、超原子価ヨウ素試薬を利用したアルドキシムのカルボン酸への変換反応の研究において、中間体としてヒドロキサム酸を経由していることを明らかにしている。ヒドロキサム酸の加水分解は、一般的なアミドと同様に強酸または強塩基条件で加水分解する反応が一般的であるが、これまでに加水分解の触媒化の条件をほぼ確立し、室温条件で行うことができた。現在基質一般性の検討を遂行している。その際新たに予期していなかった副生成物も得られ、別の展開につながることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた反応について、最適な反応条件はある程度確立でき、単純な基質であれば概ね良好な収率で目的物が得られている。また期待していた官能基許容性も確認することができたので、今後の展開に期待することができる。
|
Strategy for Future Research Activity |
官能基許容性や、複雑な化合物での応用を検討している。またヒドロキサム酸の窒素上の置換基により反応性が大きく異なることが確認できたので、その反応性をどのように利用するか検討する。目標としてはペプチドの位置選択的開裂反応への応用したいと考えている。また原料合成に関して、既知の手法では収率が安定しない場合があるので簡便合成について検討の余地がある。
|
Causes of Carryover |
初年度は反応条件の検討を中心に行ったため、予定よりも試薬に使用する費用が抑えることができました。今後基質一般性の展開など、試薬を多く要する時期に適切に使用したいと考えております。
|
Research Products
(7 results)