2021 Fiscal Year Research-status Report
N―ヒドロキシアミンの特性に基づく官能基選択的反応の開発
Project/Area Number |
19K16329
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
中村 光 近畿大学, 薬学部, 講師 (50706629)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ヒドロキサム酸 / 環境調和 / 触媒反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
天然物中に含まれているヒドロキサム酸は、生理活性発現のための重要な官能基であることが知られている。申請者は以前に超原子価ヨウ素試薬を利用した、温和な条件を利用したアルドキシム類の加水分解反応を報告しており、この変換においてカルボン酸を経由することが分かった。本課題ではヒドロキサム酸をより温和な条件下で環境調和型の加水分解反応が開発できないか検討を行っている。これまでに触媒的な加水分解反応を室温条件で安価な試薬を用いて行える条件を確立したが、さらに本加水分解反応をどのように応用するかについて検討を続けた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒドロキサム酸を触媒的に加水分解する反応条件および基質一般性についても一通り検討を行った。応用研究として加水分解以外の反応への応用を試みたが低収率に留まっている。収率低下の原因はカルボン酸の副生であることは明らかだが、無水反応などを検討しても制御しきることができなかった。温和な条件下での変換を計画していたが、最近加熱条件を用いることで収率の改善傾向を確認することができたので、溶媒検討などでさらなる収率改善について検討を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長し、現在集まっているデータを論文にまとめる予定です。他の求核種への応用や、ペプチド合成への展開も予定していたのですが、時間的制約があるため今後は加水分解反応に絞り込んで成果をまとめます。またテトラゾール類の合成についても条件および基質一般性のデータがたまってきたので、必要なデータを集めきり論文にまとめます。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍において研究活動が行えなかった時期が半年以上ありまた学会旅費などに計上していた分が全て中止やオンライン開催となり余剰分となりました。今後、基質一般性を展開する際の試薬など消耗品に充てる予定です。
|
Research Products
(6 results)