2019 Fiscal Year Research-status Report
Methylmercury induced neuronal damage via M1-microglial activation
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19K16345
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
外山 喬士 東北大学, 薬学研究科, 助教 (50720918)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メチル水銀 / ミクログリア / 神経障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミクログリアの活性が評価可能なマウス大脳皮質スライス培養系の構築 用いるマウスの日齢、培養条件、血清条件、スライス培養の厚さ、温度条件等を考慮し、詳細な条件検討を実施した結果、その90%以上が形態的に成熟したミクログリアとして存在する大脳皮質スライス培養が可能となり、論文にまとめ報告した (Hoshi et al., 2019, JTS)。本方法で作成したスライス培養中のミクログリアは、炎症リガンドであるLPSに応答し、アメボイド型に形態が変化すること、および、炎症性サイトカイン類の産生が増加することを確認した。いずれも、従来の方法で作成したスライス培養より顕著でり、7週齢のマウスの脳内のミクログリアと同等の挙動であったことから、当初の目標通り、ミクログリアの活性が評価可能なマウス大脳皮質スライス培養が確立できた。
メチル水銀による神経傷害へのミクログリア活性化の関与 CSF1RのshRNAを発現するレンチウイルスによるミクログリアの抑制は、力価が高いウイルス作成に至らず、現在も検討中である。そこで、ミクログリア阻害剤であるミノサイクリンや、ミクログリアの貪食作用を利用したミクログリア除去剤であるクロドロン酸内包リポソームを用いることで、メチル水銀による神経障害へのミクログリア活性化の関与を検討した。その結果、メチル水銀による神経細胞の減少は、ミノサイクリンまたはクロドロン酸内包リポソーム処理により一部抑制されたことから、ミクログリアはメチル水銀による神経障害に寄与することが確かめられた。本成果の一部を論文としてまとめ、報告した (Hoshi et a., 2019, FTS)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1年目であるが、目標としていたミクログリアの活性測定が可能なマウス大脳皮質スライス培養系の構築を達成し、メチル水銀による神経毒性へのミクログリアの関与まで明らかにすることができた。これらを2報の論文にまとめて報告できたことは、間違いなく計画以上の成果である。すでに最後の目標であるメチル水銀によるミクログリア活性化機構についても先行研究をすすめており、おおまかなシグナル伝達経路の絞り込みも終えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から、ミクログリアの活性を評価可能なスライス培養系を構築し、メチル水銀による神経障害にミクログリアが関与することを明らかにした。今後は、メチル水銀によるミクログリア活性化機構についての解明を目指す。具体的にはNF-kB関連シグナルの活性化、MAPキナーゼの活性化、ミトコンドリアからの活性酸素種の産生の増大、が関与することが示唆されている。そこで、これら経路の活性化についてウエスタンブロットまたは、活性酸素プローブを用いた蛍光染色により検討する。次に、活性化した経路の阻害が、メチル水銀によるミクログリア活性化および神経細胞障害に与える影響を検討する。
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Causes of Carryover |
前年度では、スライス培養系を順調に確立することができたが、培養時間の検討などで大幅に時間をとられたため、メカニズム研究はほとんど実施することができなかった。また、研究成果を発表する予定だった学会が疫病のため中止となり旅費分が余った。そこで、翌年度分として請求した助成金と合わせ、本年度では、メチル水銀によるミクログリア活性化機構について解明を目指す。また、余った旅費分は、論文として研究成果の公表を目指すため、投稿費および英文校正費として使用する。
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Research Products
(4 results)