2020 Fiscal Year Annual Research Report
"GPCR in the gut"ーイメージング技術の開発と腸内細菌との相互作用
Project/Area Number |
19K16349
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
堀 亜紀 金沢大学, 薬学系, 助教 (90825150)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌は、それぞれが別々の影響を宿主に与えていると明らかになりつつあるが、その相互作用機構はほとんど解明されていない。本研究ではショウジョウバエの消化管を用いて、ヒト腸内細菌と消化管に発現する受容体を再構成する。 本研究の目標は、ヒト腸内細菌とヒト消化管細胞の相互作用をショウジョウバエを用いて解析する新規の有用な実験系を確立することである。この実験系を用い、ヒト消化管受容体を活性できる特異的な腸内細菌と受容体のリガンド同定を目指す。 研究代表者らは、無菌のショウジョウバエを長期間安定的に維持する世界初の方法を確立している。そこで、ヒトの消化管に発現する遺伝子を組み込んだショ ウジョウバエを定法により樹立し、無菌化を行う。そのハエを用いて、さまざまなヒト腸内細菌を定着させたノトバイオートハエを作製し、受容体の活性化を組 織イメージング等により検出する。 本年度は、TANGO法を行うための交配を進め、必要な系統を7割程度完成させた。受容体活性化をハエ個体で検出するため、ヒトGPCRのTANGOシステムを発現するハエを用いてリガンドを摂食させ、全身のルシフェラーゼ活性を測定した。その結果、現在慎重に再現性を確認しているところではあるが、リガンド依存的な受容体活性化を検出できる可能性を示唆するデータを得た。ヒトGPCRの活性化をショウジョウバエ個体の腸管で検出できたという報告は無いため、新しい成果につながることが期待できる。
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