2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the mechanism of amyloid-beta toxicity using model peptides which displays metal ion-dependent aggregate formation.
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19K16362
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
谷口 将済 摂南大学, 薬学部, 助教 (50710696)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイド-β / /銅イオン |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、アミロイド-β(Aβ)凝集体の神経細胞への影響を調べることを目的として、Aβ1-29に銅イオンが結合することによるヒト神経芽細胞腫SH-SY5Yへの影響を検討し、銅イオン存在下においてAβ1-29がSH-SY5Y細胞のタウタンパク質リン酸化を促進する可能性が示された。 また、アルツハイマー病と糖尿病との関連を明らかにする目的で検討を行い、Aβ1-29によりSH-SY5Y細胞のインスリンシグナルの活性化及びグルコース輸送タンパク質(GLUT4)の膜局在化が阻害されることがわかった。さらに、マウスインスリノーマ細胞であるINS-1細胞を用いて検討したところ、Aβ1-29がINS-1のインスリンシグナルを活性化することも明らかになった。 前年度に引き続き、糖尿病において膵臓細胞から分泌される凝集性ペプチドであるアミリンに着目し、アミリン由来短鎖ペプチド(Am1-30)を新たに合成し、Aβ1-29との共通項を検証した。その結果、Am1-30が銅イオンと結合し構造変化を起こすこと、金属イオンとの結合により凝集性が変化することがわかった。また、銅イオンと結合したAm1-30がSH-SY5Y細胞のアポトーシスを誘導する可能性が示された。SH-SY5Y細胞に対してアポトーシスを誘導したのは、一定の構造を有する凝集体であり、Am1-30がAβ1-29と同様の特徴を有し、これが毒性の強いオリゴマーである可能性が示された。以上の結果から、アミリンとアルツハイマー病、あるいはAβと糖尿病の相互の関連性が示唆された。以上の成果は、本研究計画を実施する上で有意義な知見であり、今後も検討を続けていく必要があると考えられた。
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