2020 Fiscal Year Annual Research Report
急性前骨髄球性白血病(APL)に対するセレブロンモジュレーターの作用機構の解明
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19K16378
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
清水 誠之 大分大学, 医学部, 助教 (30817143)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | セレブロン / サリドマイド / レナリドマイド / ポマリドマイド / 急性前骨髄球性白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に、セレブロン(CRBN)-ポマリドマイド依存的に分解されるネオ基質(X)とその融合基質(X-APL1)について生化学的な解析を行い、これを証明した。 本年度では、U937細胞をベースにした条件付きで融合基質 (X-APL1)を発現するヒト急性前骨髄性白血病のモデル細胞株を海外から入手し、ポマリドマイド依存的な増殖抑制効果を示せるか検討した。臨床試験で使用される濃度のポマリドミド処理において、X-APL1が分解され最終的に細胞の増殖が抑制されることを確認した。さらにこの増殖抑制効果は他の既存薬との併用により相乗効果を示した。続いて、セレブロン‐ポマリドマイドによる分解に耐性のあるX-APL1変異体(ポマリドミド存在下でもセレブロンがX-APL1に結合できず、分解できない)を発現する細胞株を新たに樹立したところ、予想通りポマリドマイドによる細胞増殖の抑制効果がキャンセルされた。また最近、ネオ基質(X)をコードする遺伝子がAPL1遺伝子以外の遺伝子と融合し(X-TALL)、小児白血病の発症に関与することが報告された。生化学的解析から、セレブロン‐ポマリドマイド依存的にX-TALLは結合し、分解されることも証明した。 以上の結果から、ネオ基質(X)をベースにしたポマリドマイド既承認薬の適応拡大への基盤が構築できたと考えられる。
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Research Products
(1 results)