2021 Fiscal Year Annual Research Report
過分極作動性HCN1チャネルを介したてんかん発症の調節メカニズム解析
Project/Area Number |
19K16384
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
清水 佐紀 大阪医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (00630815)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | HCN1チャネル / Pilocarpine誘発けいれん重積発作 / 電撃けいれん / Fosタンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
HCN1チャネルは神経発火のオシレーション調節やペースメーカーの役割を担っており、近年ではてんかんとの関連が示唆されている。本年度は昨年度より継続して、HCN1チャネル遺伝子欠損(Hcn1-KO)ラットの各種薬物性けいれん発現に対する感受性評価を進めるとともに、けいれん発現時の脳内興奮部位の探索を行い、HCN1チャネルとけいれん発現との関連を解析した。 ①Pilocarpine誘発けいれん重積発作に対する評価:Pilocarpine(200 mg/kg, i.p.)誘発けいれん重積発作に対して、F344ラット(対照)ではいずれの動物においてもけいれん発現は認められなかった。一方で、Hcn1-KOラットでは測定した全ての個体においてけいれん発現が認められ、Hcn1チャネルの欠損による顕著なけいれん発現助長作用が確認された。 ②電撃けいれんに対する評価:電撃けいれん(30-33 mA)に対して、Hcn1-KOラットでは発作発現における顕著な閾値低下が認められ、F344ラットと比較して有意に高いけいれん発現感受性が確認された。さらに、電撃けいれんを発現したHcn1-KOラットの脳内興奮部位について、Fosタンパク発現を指標に探索した。その結果、Hcn1-KOラットでは、大脳皮質や扁桃核領域におけるFosタンパク発現の有意な上昇が認められた。 本研究結果から、HCN1チャネルは様々なけいれん発現に対して抑制的な制御機構を有している可能性が考えられた。特に、HCN1チャネルの抑制は大脳皮質や扁桃核領域における神経の過活動により、けいれん発現を助長することが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Enhanced sensitivity of epileptic seizure by deficit of hyperpolarization activated cyclic nucleotide-gated (HCN) channel 12021
Author(s)
Saki Shimizu, Yuto Ishizaki, Tatsuya Hattori, Yuki Kotaru, Sara Mishio, Airi Maida, Mei Moriyama, Takumi Sano, Juri Miyakoshi, Takashi Kuramoto, Yukihiro Ohno
Organizer
第95回日本薬学会年会
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