2021 Fiscal Year Research-status Report
Search for bioactive substances from uncultured microorganisms
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19K16394
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山野 喜 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (70650597)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 難培養性微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新たに2株の新規性の高い微生物株の全ゲノム解析を行い、そのゲノム情報をDDBJに登録した。本研究は、これまで利用できずにいた新規性の高い微生物株を分離培養し、そこから新たに薬の基として有望な化合物を得ることを主目的としているが、研究成果から広く波及効果が生まれることを期待し、得られた微生物株の全ゲノム情報を公開することで、他の研究者もその情報を利用できるようにすることも目的の一つである。 薬の基となる生物活性物質の探索研究に関しては、ゲノム解析済みの細菌株の培養抽出物から寄生虫であるリーシュマニア原虫の増殖を抑制する活性を見出したため、その活性を指標とした探索を行ったが、構造決定に十分な量の活性化合物が得られなかった。そこで、培養抽出物の量上げのための再培養を試みたが、以前は順調に増殖していた細菌が突然増殖を停止し、その再増殖のための試みも現在のところ良い結果が得られておらず、培養条件を模索中である。その結果を受け、新たにゲノム解析を行った細菌株は、安定に増殖する条件を十分に確認した後に探索源として用いることを決めた。現在のところ、それらの細菌株を探索源とし、そのゲノム情報を利用した微生物のmRNA発現量の解析とLC-MS/MSを従来の探索手法に組み込むことで、新規性の高い化合物を選択的に見出す手法を構築中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
探索源として用いる新規性の高い微生物の分離効率を上げるため、培養器具に改良を加える実験などをいくつか行ったが、それらに明確な成果として記述できる進展は見られなかった。また、化合物探索においても、探索源としていた細菌の突然の増殖停止などの問題もあり、予定通りの成果を上げることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新規性の高い微生物から効率的にユニークな化合物を見出すために、ゲノム情報を基盤とした探索手法を構築し、その成果として医薬品シードとなるような化合物の単離を目指す。また、これまでに構築されたプロトコルである、新規性の高い微生物の分離培養とゲノム解析を継続して行い、その情報を順次公開していく予定である。
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Causes of Carryover |
パンデミックの影響で研究の進展が遅れ、それに伴い研究費の使用が抑制されたため、研究期間を1年延長し、残った研究費を次年度使用額として繰り越した。 研究期間を延長したため、本研究課題において次年度に新たに請求する研究費はない一方で、本年度の1年分の研究費がほぼそのまま残る形となっているため、当初の研究費使用計画書の最終年度の使用計画に則り、次年度の研究費を使用する予定である。
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