2022 Fiscal Year Annual Research Report
Search for bioactive substances from uncultured microorganisms
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19K16394
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山野 喜 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (70650597)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 難培養性微生物 / 天然物化学 / 生物活性物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度はGichipを用いて得られた新規細菌からの化合物探索を行った。全ゲノム配列解析済みの新規細菌L3-i22を培養し、その抽出物をLC-MS/MS解析した結果、他の微生物培養液には見られない特徴的な化合物のピークが確認されたため、そのピークを指標に化合物を精製・単離した。単離した化合物を構造解析した結果、抗生物質として知られているLincolnenin類と同様の骨格を持つ新規Lincolnenin類であることが推定された。単離した新規化合物の生物活性は今後評価していく予定であるが、Lincolnenin類はヒト細胞に毒性を示さず薬剤耐性菌を含む種々のグラム陽性細菌に選択的な毒性を示すことが知られていることから、本化合物もドラッグライクな活性を有することが期待される。またL3-i22株のゲノム中に、今回単離した新規化合物と同じbianthraceneであるjulichrome Q3-3の生合成遺伝子クラスターと似た配列が存在していることから、当該領域が本化合物の生合成遺伝子クラスターであることが示唆された。 本年度は他に、新規細菌5種の培養抽出物のLC-MS/MS分析を行ったが、特徴的な化合物ピークは見出されなかった。新規細菌は分離培養できても増殖速度が遅く大量培養が困難なことが多いことから、今後効率的に化合物を探索する手段を構築する必要がある。 研究期間全体としては、Gichipを用いておよそ50株の新規微生物を分離し、新規真菌L1-6およびL2-13から、それぞれ新規抗腫瘍物質(2-(3-hydroxybutyl)-3- methylhexahydropyrrolo[1,2-a]pyrazine-1,4-dione)と新規抗リーシュマニア活性物質Leucinostatin類を、新規細菌L3-i22から新規Lincolnenin類を単離・構造解析した。
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Research Products
(3 results)