2021 Fiscal Year Annual Research Report
The study of functional mechanism of Nobiletin, which possess the therapeutic potency for development of heart failure.
Project/Area Number |
19K16396
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
砂川 陽一 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (30466297)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心肥大 / ノビレチン / p300 / GATA4 / アセチル化活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、心筋細胞肥大を指標に天然抽出物ライブラリーからスクリーニングを行い、柑橘類果皮成分であるノビレチンに着目、ノビレチンが心筋細胞肥大を抑制し、心不全の進行を抑制することを2つの心不全モデル動物で見出した。本研究はノビレチンの心筋細胞肥大、心不全進行抑制作用のメカニズム解析を目的とした。 本年度は、p300とNBP1の関連について検討した。リコンビナントタンパク質を用いた検討により、NBP1はp300のRINGドメインに結合していることが判明した。このRINGドメインはp300酵素活性部位に蓋をするように制御していることから、NBP1による活性制御との関連が示唆された。NBP1は酵素活性を有していることから、p300の翻訳後修飾を介してアセチル化活性を制御しているのかどうか検討するため、HEK293T細胞にてp300全長を発現・精製し、LC/MS-MS解析を行った。その結果、p300のアセチル化活性部位付近に特徴的な翻訳後修飾を発見した。この部位をアルギニンに置換したp300変異体(p300mutR)はp300による転写活性化能が減少していた。逆にミミック体となるように置換したp300変異体(p300mimic)ではNBP1によるp300転写活性化抑制能が認められなかった。以上の結果より、この翻訳後修飾がNBP1の標的であることが示唆された。 また、ノビレチン-NBP1の研究から派生する形で天然由来抽出物のp300アセチル化活性や心不全に対する解析、新たな核内制御機構の解析も行っており、多数の成果を得た。
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